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平成30年11月1日より “県内初” 「がん遺伝子外来」開設

平成30年11月1日より “県内初” 「がん遺伝子外来」開設

平成30年11月22日

報道関係者各位

筑波大学附属病院

一人ひとりのがんの個性(原因)を遺伝子レベルで解明し、
治療薬の選択に役立てる「がん遺伝子パネル検査」を提供
平成30年11月1日より “県内初” 「がん遺伝子外来」 開設


 筑波大学附属病院(病院長:原 晃)は、平成30年11月1日より、一人ひとりのがんの個性(原因)を明らかにし、患者さんにより適した治療薬の情報を提示する「がん遺伝子外来」を開設いたしました。本外来は、患者さんのがんに関する遺伝子を網羅的に解析し、患者さん一人ひとりに最適な治療法の選択に役立てる遺伝子検査を提供するもので、“県内初”の取組みです。

 「がん遺伝子外来」では、患者さんのがんの診断や治療に役立つ情報を得るために一度に複数の遺伝子変化を調べる「がん遺伝子パネル検査」の目的や意義をご説明し、患者さんの同意が得られた場合に実施いたします。当院では慶應義塾大学附属病院と連携した「プレシジョン検査」と名付けられた国内検査を提供予定です。

 既に特定の遺伝子の異常を標的とした治療薬が日常診療で使われていますが、その中で行われている遺伝子検査は、ごく一部しか調べることが出来ません。網羅的がん遺伝子解析では、患者さんのがんの診断や治療に役立つ情報を得るために、一度に複数の遺伝子変化を調べる最新の解析技術を用いて検査を行います。

 昨今の研究では、原発部位・臓器が異なっていても同じ遺伝子の異常がある場合は、その遺伝子を標的とした同じ抗がん剤が有効なことが分かってきています。標準治療の効果がなくなってしまった患者さんやがんの種類が不明で標準的治療がきまっていない「原発不明がん」の患者さんに対して、遺伝子検査を通じた適切な薬剤投与は、がん治療の新たな選択肢として期待されています。

 「がん遺伝子外来」は、1,16歳以上、2,ご自分で歩けるくらいの全身状態、3,病理組織学的検査によって悪性腫瘍(固形がん:血液系以外のがんで胃がん、肺がん、乳がんなど)または原発不明がんと診断された患者さん、4,抗がん剤治療がない、抗がん剤治療が終了している、または終了が見込まれる患者さん、の4つの条件をすべて満たす方が対象です。申し込みは現在治療を受けている主治医からになりますので、受診をご希望の方はまずは現在の主治医にご相談ください。

 筑波大学附属病院では、検査のみならず、検査の結果や治療方針について正しく理解していただく遺伝カウンセリング体制の整備も計画しており、最先端のがん治療を提供するための医療提供環境整備も順次進めていく予定です。


この外来についての詳細は がん遺伝子外来のご案内
http://www.hosp.tsukuba.ac.jp/outpatient/facility/gancenter/genome/)をご覧ください。