本院の整形外科医である江崎聖桜(えざき・せいおう)氏による
立体作品《SHIN_TAI》の展示です。
江崎氏は、医師であると同時にアーティストとして、これまで絵画、彫刻、
写真、映像、パフォーマンスなど、さまざまな表現媒体による作品を発表して
きました。
本展では、樹齢300年を超えるケヤキの木による作品を展示しています。
作家による「作品の物語」とあわせて、どうぞごゆっくりご覧ください。
[作品の物語]
空洞となり朽ちた巨木は、それだけで静かな威厳と美しさを纏っていました。
朽ちて土に還るのを待つのみであったその力強い樹の表層の樹皮を剥すと、
溶けるように滑らかな人肌のような表情に変わりました。
--これは樹なのか、人体なのか
巨木そのものの荘厳さは神性を宿し、見るものに威圧感を与える一方で、
その下では動物のような暖かさを醸す肌を晒していました。
私たちは毎日人体の情報を取り数値や画像データの断片から判断を迫られますが、
この集積した情報と化した人体もまた一皮剥けば、魂を宿した神性な生命体です。
樹木という素材を主題とし、半分加工を施すことで大樹の神性と身体の神性を共存させ表現しました。
--人工と自然、これまでとこれからを繋ぐ隧道として
様々な情報に分断され判断される現代の生活と生命活動の中で、
自身の持つ原始に繋がる身体と、そこに宿る神体を見つめ直す作品です。
江崎聖桜
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日程:2022年12月8日~2023年5月末(予定)
場所:筑波大学附属病院 けやき棟 1 階 入院受付前
展示作家:江崎聖桜