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肝臓生活習慣病外来

肥満・生活習慣病と肝臓

わが国では食生活習慣の欧米化と慢性的運動不足に伴い、国民の肥満傾向は強くなってきており、肥満人口は過去40年間で3倍となっております。肥満には皮下脂肪型肥満と内蔵型肥満がありますが、内蔵型肥満者の増加はメタボリック症候群の病因として、また、随伴疾患の増悪と進展にも重要な役割を演じています(図1)。

最近の人間ドック全国集計成績では肝機能異常を有する成人の頻度が急増しています(図2)が、これには内蔵型肥満者の増加が大きく関わっていると推測されています。体内脂肪のおもな貯蔵場所は脂肪組織ですが、肥満者では筋肉および肝臓等にも異所性に脂肪蓄積が生じてきます。肥満者の約3割は非アルコール性脂肪性肝疾患(Non-alcoholic fatty liver disease : NAFLD)と称される慢性肝障害に罹患しています(図3)。NAFLDなどの慢性肝疾患の患者様には糖代謝異常も高率に認められ、その10-40%に糖尿病が発症するとされています。肝硬変症にみられる糖代謝異常の特徴は、高インスリン血症が認められることです。最近の研究では、慢性肝疾患の生命予後や肝発癌に糖尿病の合併の有無が大きく関与していると報告されています。

慢性肝疾患に合併する肥満や糖尿病に対しては、肝脂肪とそれによる肝障害を改善するために、食事に加えて運動療法を実践することが有用であるとされています。従来、肝硬変症など肝機能障害者の運動療法は、運動により肝機能を悪化させるなどの理由で勧めないとの意見もありましたが、最近では、運動により筋肉でのグルコースの利用率を増加させ、インスリン抵抗性改善するための適度な運動による骨格筋量の維持は重要であるとされています。

ヒトの骨格筋の総重量は肝重量の約20倍であり肝臓と同様に体の代謝機能に果たす役割は大切です。NAFLDに対して、運動療法の推進により第2の肝臓である骨格筋(図4)の筋量を維持していくこと、骨格筋の代謝機能と運動耐容能力(強度と持久力)を向上させることは、患者様の予後改善に繋がる重要な課題です。

健康スポーツクリニック外来では、食生活習慣の欧米化と慢性的運動不足が蔓延する現代社会で、NAFLD、慢性肝炎および肝硬変の慢性肝疾患の患者様へのメデイカルチェック(図5~7)と運動療法(図8、9)を普及させ、肝臓の機能改善と肝発癌の抑止による生命予後の向上させることをサポートしております。

非アルコール性脂肪性肝疾患に対するハイブリッド訓練法

わが国では食生活習慣の欧米化と慢性的運動不足に伴い、肥満に関連した肝機能異常を有する成人の頻度が急増しています。体内脂肪のおもな貯蔵場所は脂肪組織ですが、肥満者では筋肉および肝臓等にも異所性に脂肪蓄積が生じてきます。肥満者の約3割は非アルコール性脂肪性肝疾患(Non-alcoholic fatty liver disease : NAFLD)と称される慢性肝障害に罹患しています。NAFLDには単純性脂肪肝と脂肪性肝炎(Non-alcoholic steatohepatitis; NASH)が含まれております(図1)。NASHは肝硬変、肝不全、さらに肝癌へと進展する危険性が高い肝臓病です。特に線維化が進行したNASHでは肝発癌の危険性が高いと報告されております。

慢性肝障害における線維化の進展度の測定は、このように肝病態の把握、治療方針の決定、治療効果の予測、さらに、肝発癌を含む予後の予測のためには重要な項目です。この肝線維化評価に関する 最も信頼性のある検査方法は肝生検ですが、侵襲性、合併症、サンプリングエラーや頻回の施行が困難であることなどの問題点があり、その遂行は限られた症例においてのみ可能です。私どもは肝線維化測定の普及性を考慮して、エラストグラフィーによる非侵襲的診断手法を行っております。肝硬変の診療ガイドライン(日本消化器学会発行)におきましても、エラストグラフィーの診断精度は肝生検のものと同等であると述べられております。エラストグラフィーの中でも、ファイブロスキャン(図2)はその有用性が国内の学会等で高い評価を受けております。本装置は体表より肝臓に低周波・低出力の剪断波を送出し、その波動が肝臓内を伝搬する際に生じる肝臓のひずみを超音波でマッピングし、速度を計算することにより肝臓の弾性値を計算するものです。

当外来では、NAFLDの患者様よりNASHを抽出するためのスクリーニング方法として、ファイブロスキャンによる非侵襲的方法にて肝線維化の測定を行っております。その結果、線維化が進行したNASHが疑われる患者様には、精密検査の必要性をご説明して、食事栄養指導と運動指導への積極的なご参加をお勧めしております。また、肥満症や慢性肝障害を有する患者様は、運動療法の際に体に発生する酸化ストレスの増加が顕著であり、運動療法のコンプライアンスとその効果の低下させてしまう可能性もありますことより、機能性食品やアミノ酸の内服による筋肉の運動耐容能力の向上に関する臨床試験も予定しています。

高度肥満者に対する内視鏡抗肥満療法(胃内留置バルーン療法)

わが国では食生活習慣の欧米化と慢性的運動不足に伴い、肥満人口は過去40年間で3倍に増加しております。肥満は栄養摂取とエネルギー消費の不均衡による過剰なエネルギー源が脂肪として蓄えられた状態です。過剰に脂肪の蓄積が生じると組織の構造や機能に異常をきたし、器官障害を誘発することで肥満症を引き起こします。

近年の欧米では、高度肥満者に対する胃内留置バルーン(BioEnterics Intragastric Balloon System; BIB System)を用いた治療法(図1)が有用な選択肢の一つです。この治療法は内視鏡下に胃内に風船(バルーン)を留置することで胃内容積を減少させ(図1)、食事摂取量を低下させることより体重減少を図ることを目的とした治療法です。既に大分大学および東京大学において高度肥満者を対象に胃内留置バルーンの先行研究が施行されています。

期待される効果として、欧米からの報告では、バルーンを留置することにより4~6ヶ月の間に16~48%の体重減少が得られています。また、わが国では、大分大学からの成績として、約半年間に7030Kgの体重減少(図2)と肥満に伴う健康障害(糖尿病、高血圧、高脂血症、脂肪肝など)の改善が確認されています。

運動療法による非アルコール性脂肪性肝疾患の肝線維化予防

食べ過ぎや運動不足といった生活習慣の乱れにより、摂取したエネルギーが消費するエネルギーを上回ると、余ったエネルギーの一部は肝臓に脂肪として蓄えられます。お酒を飲まない方でもこの状態が持続することで、非アルコール性脂肪性肝疾患という肝臓病を引き起こします。非アルコール性脂肪性肝疾患の大部分は単純性脂肪肝ですが、糖尿病、高血圧、血清脂質異常症、心血管障害を高率に合併するのみならず、近年では、その一部は脂肪性肝炎へと移行することが明らかとなっています(図1)。脂肪性肝炎は早晩、肝硬変や肝癌を引き起こすことより、これらの重篤な合併症を予防するため治療の手段を考えることが重要です。運動を行うことで非アルコール性脂肪性肝疾患が改善することは広く知られていますが、現代社会では、諸事情により継続的な運動の実行が難しいことも数少なくありません。

一方、宇宙空間では無重力となるため筋肉への負担が減少し筋肉の萎縮がおきます。現在、この宇宙空間での筋肉の萎縮を予防するために電気刺激訓練法としてハイブリッド訓練法(図2)が考案されています(久留米大学リハビリテーション部 志波直人教授)。本トレーニングは一回の訓練時間15分40秒(休息を除いた実質時間6分40秒)と短時間ですが、効率的に筋肉に負荷をかけることが可能です(図3)。3ヶ月間の電気刺激訓練(週3回)を行うことにより、筋力の増強効果が証明されています(図4)。本トレーニングは短時間でかつご高齢の方々などで歩行障害をお持ちの方々でも訓練が可能です。

非アルコール性脂肪性肝疾患を含めた慢性の肝臓病では、筋肉での糖の利用率を増やし、インスリン抵抗性(インスリンが効きにくい状態)を改善するためには、運動療法による骨格筋量の維持は重要です。とかく懸念されやすい慢性の肝臓病の患者様に対して、ハイブリッド訓練法の運動療法の介入による肝機能障害を軽減し(図5)、肝臓病の進展の抑えることの意義は大きいです。

本臨床研究の目的は、非アルコール性脂肪性肝疾患の方を対象として、ハイブリッド訓練法による肝機能障害の改善効果を検討することにあります。

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