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ホーム > 研修等のご案内> 2012年 7月18日 「摂食・嚥下サポートチーム」主催 嚥下訓練食の試食会を実施しました

研修等のご案内

 附属病院の全教職員を対象とした「嚥下訓練食」の試食会が開催されました。

 仕事を終えてから、あるいは仕事の合間を縫って計59 名の皆さんの参加がありました。

 

日時 :平成24年7月18日(水)
    18:00~19:00
場所 :リハビリテーション部 (C棟2階)
内容 :嚥下訓練食(改訂前・後)の試食
対象 :附属病院全教職員

 

研修会の目的

 摂食・嚥下サポートチームが開発に取組んだ「新嚥下訓練食」の評価に多くのスタッフに参加してもらうとともに、 嚥下訓練食が変更になったことを広く周知し病棟で活用してもらうことを目的としました。


嚥下訓練食の開発

 摂食・嚥下が困難な患者さんには、まず安全な食品物性が重要とされています。 より安全に配慮した食事を提供するために、多職種をメンバーとした「摂食・嚥下サポートチーム」が、 嚥下訓練食を見直してきました。チームが約2年の歳月をかけて開発したのが、 今回試食の対象となった「新嚥下訓練食」です。




 これまで導入されてきた嚥下訓練食は、様々な問題があると患者さんや医療スタッフに感じられており、 利用率も大変低くなっていました。高齢化社会を迎え、 生活習慣病などの慢性疾患を抱えた患者さんも多くなり、 安全性とともに食事をする意欲がわく工夫も必要でした。 多職種のチームで問題点を抽出し、これらの総合的改善を図ったのが「新嚥下訓練食」です。


試食会の内容

 試食会に参加した病院教職員の職種ごと内訳は、 看護職:23名、医師:14名、その他:19名(栄養士、言語聴覚士、理学療法士 など)、 といった多彩な顔ぶれでした。


物性、食味などの評価

 まず、1人1人が評価表を手にしながら、8品目の新旧訓練食サンプルをブラインドで試食し、 物性や食味などを評価しました。

 嚥下しやすい食品に必要とされる3つの要素 (①適度な硬さ、②付着性が少ない、③食塊を形成しやすい(凝集性))についても 医療スタッフの舌で厳しく評価されました。

 参加者は、ラクダ色をしたペーストやゼリー状の副食では、食欲がわかないことや、 何を食べたのかわからないことを実感し、患者さんの目線で問題点についての認識を共有しました。

 カロリーの点で優れた「ジアスターゼ粥」は、旧訓練食で主食となっていましたが、 患者さんがイメージする「お粥」とはかなり異なる食味で、食べてもらいにくいメニューでもありました。 これが新訓練食では「ゼリー粥」に置き換えられ、お粥の風味も楽しめるようになりました。


 また、「お茶ゼリー」の導入で水分誤嚥のある患者さんでも、 主食・副食とお茶を交互に嚥下することを可能としたことから、 咽頭残留を除くといった療養上の効果も期待されました。


見た目の評価

 次のブースでは、こちらもブラインドで外観の評価を行いました。

 改訂後の訓練食で導入されたソフト食では、 もともとの食材がイメージできるよう形や色が工夫されており、見た目でも食欲をそそりました。






嚥下訓練食の評価結果

参加者の9割以上が、改訂後の訓練食を「よい」と思ったという結果で、 摂食・嚥下サポートチームの長年の取組みが病院スタッフから評価されました。

試食会開催後、訓練食のオーダーも約4割増となり、試食会の目的でもあった、 嚥下訓練への活用が促進されました。




新訓練食はおいしい!

 試食会会場で印象的だったのが、参加者の「おいしい!」という声と笑顔でした。 訓練食=まずい という印象を持っていたスタッフには、 予想を裏切られる嬉しい驚きがあったようです。

訓練食の開発と参加者の評価結果については、 本事業ワークショップ(こちらをクリック)ならびに チーム医療をテーマとした国際学会ATBH(All Together Better Health)Ⅵ においても発表されました (発表ポスター:PDF)。

 参加者から高評価だった新嚥下訓練食、 
みなさんの病棟でも是非ご活用ください。 





 

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