新規採用者を対象とした院内感染対策研修会を実施し、2回の研修会に計61 名の新規採用職員が参加しました。
日時 :平成24 年7 月11 日(水)
15:00~、17:00~
テーマ:筑波大学附属病院の感染対策
場所 :筑波大学附属病院3階 特別第3会議室
対象 :平成23・24年度採用で、新規採用者研修を未受講の筑波大学附属病院職員
研修会の目的
筑波大学附属病院の感染対策について、院内の全ての職員が、職種に関わらず基礎的な知識を得ることで、感染防止について同じ視点を持つことを目的としました。
研修会の内容
毎年4月1日採用の新規採用の職員に対しては、入職当日に行われる新人研修の中で、 感染対策についても研修が行われてきましたが、それ以降に採用となった職員には、 これまで研修の機会がありませんでした。昨年度からは、この方達を対象とした 本研修会が実施されることとなり、全ての職員が感染防止について、同じ視点を持てるようになります。
参加者全員が、真剣に新規採用者を対象とした院内感染対策研修会研修に取り組みました。 参加者数の職種ごと内訳は、医師:5名、看護職:8名、その他の専門職:13名、 技術・技能系職員:21名、事務系職員:14名でした。
研修会では、感染管理部の堤副部長が講師となり、附属病院の感染対策が説明されました。 まず、感染管理体制の紹介とともに、院内専用ホームページに掲載されている 「院内感染対策マニュアル」 (http://www.hosp.tsukuba.ac.jp/~infctl/manual/mokuji.htm)が紹介され、 マニュアルに沿って病院全体で対策を実行することが大変重要なので、 必ず目を通すよう説明がありました。
入職時の抗体検査とワクチン接種
入職時の健康調査は、事務職を含めたすべての職員に義務づけられており、このことが 院内感染の予防に役立つとされました。
院内感染対策の基本は、標準予防策
続いて、附属病院における院内感染対策基本は、標準予防策であると述べられ、標準予防策の 原則について説明がありました。標準予防策の原則「血液・体液・排泄物・粘膜・ 創部などには伝播しうる感染性微生物が含まれているかもしれない」を念頭に置き、診療・ 看護などの際、標準予防策を行うことが重要であるとされ、具体的な予防策(手指衛生、 防護具、血液・体液曝露、咳エチケット)が示されました。
手指衛生の基本は、「一処置一手指衛生」とされ、手洗いと擦式消毒薬による手指消毒の 方法について紹介されました。
「院内感染対策マニュアル」手洗いの方法
(http://www.hosp.tsukuba.ac.jp/~infctl/manual/tearai.pdf)より転載
個人防護具(PPE:Personal Protective Equipment)は、 感染性物質に対する防御のために着用する、特殊な衣服や器具 のことを指します。着脱の方法が紹介され、PPE 表面は汚染さ れている可能性があるので、表面に触れないよう脱ぐよう指導 がありました( 参考URL :http://www.hosp.tsukuba.ac.jp/~infctl/manual/bougogu-nugikata.pdf)。
血液・体液曝露については、附属病院での2011 年の報告件数は、 針刺し切創80 件、曝露5 件であり、直接患者に接する機会の多い医師・看護師で 多く発生していることが報告されました。 防止策として、注射針等を使用する際は、耐貫通性容器を持参する、リキャップはしない、 ことなどが説明されるとともに、発生時の対応についても紹介されました。
咳エチケットでは、ティッシュペーパーで口と鼻を覆い使用したティッシュペーパーは 速やかに廃棄し手指衛生をすること、咳嗽がある場合はサージカルマスクを着用すること、 突然の咳嗽時は上腕で口鼻を覆い飛沫の拡散を防止すること、院内で咳嗽のある人を 見かけたらマスクの着用を促すこと、が説明されました。
ゴミの分別
附属病院で行われているゴミ分別についても紹介され、分別を徹底してほしいと述べられました。
最後に、今回の基礎研修を足掛かりに、1人1人の職員が感染防止に取り組み、 附属病院の院内感染発生を防いでいくことを参加者全員で確認し、研修会を終えました。
本院の「院内感染対策マニュアル」は、以下の院内専用HPで閲覧できます(院外からは閲覧できません)。 随時改訂されていますので、附属病院職員のみなさんは、定期的にご確認ください。