教員紹介

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センター教員

西浦 康正(にしうら やすまさ) 整形外科

  ■出身地:和歌山県
   ■卒業大学:慶應義塾大学(1986年)
   ■専門領域:整形外科一般、手外科、肘関節外科、末梢神経障害
   ■資格:日本整形外科学会専門医、日本手外科学会専門医

 科の紹介
 質の高い医療とは、高い確率でよい治療を行うことと考えます。そのためには、正しく診断し、適切な治療を行うことが必要です。これは、どの科にも通じることですが、整形外科においても同様です。診断・治療プロセスの合理的な考え方と確実な治療手技が重要です。臨床医をめざされている方であれば、誰しも名医になろうと思っていることと思います。合理的な考え方のもとに、確実な治療を行っていけば、おのずから、質の高い医者になることができます。
 整形外科の中にもいろいろな分野がありますが、私の専門は手外科・肘関節・末梢神経です。私は、これら領域の一般的な外傷・疾患のほかに、難治性となった陳旧例や慢性疾患の治療も行っています。このため、茨城県内の他の病院ではあまり行われていない手術も行っています。手外科は、むずかしいと考えられがちで、一般整形外科医があまり勉強しない分野です。しかし、手外科の診断・治療の考え方や手技・方法を習得すれば、整形外科の他の領域への応用が効くので、非常に有益です。また、当科の青戸医師は膝関節のスペシャリストで、膝関節鏡や人工膝関節手術を中心に下肢の手術を行っています。
 正しい知識の習得の仕方、正しい技術の習得、そして、患者さん一人ごとのニーズに応じた治療の実践を指導し、研修医の皆さんの独り立ちを応援していきたいと考えています。


 

左津前 剛(さつまえ つよし) 麻酔科

  ■出身地:千葉県
   ■卒業大学:筑波大学(1992年)
   ■専門領域:手術麻酔一般
   ■資格:麻酔科標榜医、日本専門医機構麻酔科専門医、日本麻酔科学会指導医、
       日本集中治療医学会専門医

 科の紹介
 私たち麻酔科医は、手術室で日々培っている気道管理・呼吸管理・循環管理・疼痛管理をはじめとする全身管理の技術を基盤に、集中治療・救急医療・ペインクリニック・緩和ケアなど、さまざまな医療の現場で重要な役割を担っています。病院にとってなくてはならない存在であり、医療現場での必要性も非常に高い分野です。活躍のフィールドが広いため、個々のニーズに応じた多様な働き方を選択できることは、麻酔科の大きな魅力です。
 当院は二次救急病院で、一般的な手術を中心に、年間約1,400件の麻酔科管理症例を取り扱っています。とくに産婦人科や整形外科の症例が多く、硬膜外麻酔や末梢神経ブロック(持続腕神経叢ブロックを含む)など、さまざまな手技を経験する機会に恵まれています。また、県南地区に位置しており、仕事と子育ての両立を目指す女性医師にも適した、働きやすい環境が整っています。経験豊富で指導にゆとりのある麻酔科医が揃っており、多くの症例を通じて成長したい方、より多くの手技を経験したいと考える若手医師にとって、有意義な研修を行うことが可能です。ご興味のある方は、ぜひ一度、見学にお越しください。


 

丸山 秀和(まるやま ひでかす) 循環器内科

  ■出身地:和歌山県
   ■卒業大学:筑波大学(1996年)
   ■専門領域:循環器一般、肺循環、血栓症
   ■資格:総合内科専門医、循環器専門医

 科の紹介
 循環器内科では、心不全や虚血性心疾患、不整脈、肺塞栓、肺高血圧など、さまざまな循環器系の疾患を診療しています。重症な場合には、カテーテル治療などの侵襲的な治療を行い、患者さんの命を救う大切な役割を担っています。患者さんの中には、救急搬送で初診を受ける方もいますが、健康診断で異常が見つかったり、日常的な不調を感じて来院する方も多いです。当科では、早期にこれらの疾患を診断し、重症化を防ぐことを目標に治療に取り組んでいます。

 研修の魅力
 当科には、内科学会や循環器病学会の専門医が在籍しており、専門的な治療技術を研修医に指導しています。研修医として、冠動脈造影やカテーテルインターベンション、不整脈に対するカテーテルアブレーション、ペースメーカ植え込み、下大静脈フィルター挿入など、循環器分野で必要な手技を直接学ぶことができます。実際の患者さんを担当する中で、治療の重要性や命に関わる責任を実感できる貴重な経験を積むことができます。また、診断がついていない段階で来院される症例も多いため、早い段階でさまざまな疾患に触れることができ、希少な経過をたどる疾患を発見する機会も得られます。

教育体制と研究のサポート
 当院は基幹型研修病院であり、筑波大学の臨床教育センターでもあるため、高品質な教育・研修体制が整っています。スタッフは国内外の学会で研究成果を発表しており、研修医が興味を持てば、研究活動や学会発表への参加もサポートします。このような環境で、専門知識を深めるだけでなく、将来のキャリアに役立つ経験を積むことができます。


 

阿野 哲士(あの さとし) 呼吸器内科

  ■出身地:長崎県
   ■卒業大学:筑波大学(2002年)
   ■専門領域:気管支喘息、その他呼吸器疾患全般
   ■資格:日本呼吸器内科専門医・指導医、日本アレルギー学会専門医・指導医、
       日本内科学会認定医・総合内科専門医、がん治療認定医、
       日本結核・非結核性抗酸菌症学会結核・抗酸菌症認定医・指導医、
       日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医・指導医

科の紹介
 呼吸器領域の疾患の特徴として、罹患患者数が多く、疾患の種類が多彩であること、死因の上位にランクされること、他科疾患との合併が稀ではないこと、そして難治性疾患が多いことが挙げられます。高齢化社会の進展に伴い、呼吸器疾患の増加が今後ますます予想されますが、これらの疾患を診る専門医は全国的に不足しています。また、呼吸器領域に難治性疾患が多い理由として、多くの呼吸器疾患において発症や増悪の病態が未解明であり、病態生理に基づいた創薬が困難であることが挙げられます。そのため、臨床から研究に至るまで、呼吸器内科では幅広い人材が求められています。
 研修においては、疾患を実際に診ることが重要ですが、多彩な呼吸器疾患を一つの研修施設のみで経験するのは難しいのが現状です。土浦市地域臨床教育センターは、筑波大学に至近であるという利点を生かし、筑波大学附属病院や近隣の関連病院とのたすき掛け研修により、多様な疾患を経験することが可能であり、研修期間についても柔軟に対応しています。
 また、呼吸器・アレルギー領域の一般的な疾患(Common disease)に加え、基礎疾患や合併症を有する患者の呼吸器病変についても数多く経験できます。さらに、呼気一酸化窒素濃度測定、モストグラフ、アストグラフ、超音波内視鏡検査、局所麻酔下胸腔鏡検査、クライオバイオプシーなど、最新の呼吸器系専門検査にも対応しています。
 研修に際しては、疾患に関する基礎知識やEBM(Evidence-Based Medicine)に基づく医療を習得するため、抄読会やクルズスを定期的に開催し、プレゼンテーションスキルの向上を目指した院内カンファレンスを実施しています。また、呼吸器系の検査や治療の手技習得の機会が極めて多い点も特徴の一つです。
 当センターでは、筑波大学呼吸器内科や近隣病院と共同で臨床研究を行い、研修の早い段階から研究に触れる機会を提供しています。さらに、国立病院機構の特性を生かし、一般市中病院のように日々の診療に忙殺されるだけでなく、症例発表の指導を受けることで、学会発表や論文発表の機会にも恵まれています。


 

今井 裕季子(いまい ゆきこ) 形成外科

  ■出身地:茨城県
   ■卒業大学:東邦大学(2010年)
   ■専門領域:形成外科一般、瘢痕・ケロイド
   ■資格:形成外科学会専門医、創傷外科専門医、再生医療認定医

科の紹介
 「形成外科」と聞いて、皆さんはどんな科をイメージしますか?美容外科でしょうか。
 形成外科は「体表の外科」と称されるように、全身のありとあらゆる体表の問題を相手にします。その対象は、外傷、皮膚・軟部組織腫瘍、まぶたの疾患、爪の疾患、手足の疾患、褥瘡などの治りにくい傷、術後や外傷後の傷あと、と非常に多岐に渡ります。顔面の整容性を重んじることから、顔面骨骨折も対象とします。患者層で見ると、小児の先天奇形から高齢者の褥瘡まで、老若男女あらゆる患者さまが来ます。手術の種類も多岐に渡るのが特徴で、30分以内で終わる小手術から、日をまたぐ大手術まであらゆる手術を経験できます。このように、非常に多種にわたる部位と患者層を相手にすることから、ある意味外科の総合診療科と言えるかもしれません。
 また、悪性腫瘍の切除などによって失われた組織を、機能的・整容的にできるだけ元の状態に近づける再建外科も、形成外科の範疇です。当院では、乳腺外科や口腔外科と連携し、乳癌で失われた乳房を造り直す乳房再建、口腔内癌で失われた舌や口腔底を再建する頭頚部再建を行っており、他科との関係も良好です。術後の創部トラブルや入院中に生じた褥瘡なども、創傷治療の専門家として処置やアドバイスを行うことも多く、他科の先生やコメディカルの方からも信頼されております。このように特定の臓器に偏らず、他科の先生とも良好な関係を築けるのも形成外科の特徴となっています。
 形成外科は初期研修におけるローテーションの必修科目ではありませんが、外傷の初期対応、縫合手技、創傷治癒の基本、キズへの軟膏の使い分け、熱傷や蜂窩織炎の治療など、初期研修医が身に着けるべき基本がたくさん詰まっています。特に外傷の縫合の傷などは、患者さんからも見てすぐに綺麗かどうか分かってしまいます。形成外科では、いかに傷あとを残さずきれいに治癒させるかを配慮した縫合法を常に意識しています。将来、自分で縫合した傷が患者さんから「いまいちだな‥」と思われないためにも、形成外科で美しく縫うための秘訣を身に着けてみませんか?