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指令管制センター設置

ラオス初となる指令管制センター(CCC, EMS Command & Control Centre of Vientiane Capital)の設置

本記載は、2024年7月時点の内容です。

 

<活動背景>

ラオスでは、事故現場から病院への救急搬送、病院前救護を担うのは住民ボランティアです。複数の団体が独立して活動しており、さらに団体毎に救急通報番号は異なります。そのため、1つの現場に複数の救急車が駆け付けたり、現場から遠く離れた救急車が選定され救急車が現場に到着するまでに時間を要し到着が遅延したりする事態が発生していました。全国どこからでも繋がり、救急通報を一箇所で受電する1195(日本の119番に相当)の運用構想こそありましたが、実現には至っていませんでした。

<活動内容>

そこで本事業では、カウンターパート機関である国立ミタパープ病院が中心となり、他2つの中央病院(国立セタティラート病院、国立マホソット病院)と政府に認可された5つのレスキュー団体*を基盤とした救急医療体制を構築し、1195を運用する事を目指しました。1195を受電する指令管制センター(CCC)では、同じく本事業で開発・導入する救急医療サービス支援システム(ESS)により、救急車の出動可能状況や病院の受入れ可能状況を確認し、現場に向かう救急隊に通報記録を送信することなどが可能となる計画を立てました。これらの技術により、救急通報の受電から現場状況の記録、病院搬送までのプロセスの管理・効率化が可能となります。

*Vientiane Rescue 1623(1623), Vientiane Capital Rescue 1624(1624), Lao Red Cross Emergency Rescue Volunteer Team(1625), China Foundation Rescue Emergency Call(1628), Houamchai Foundation (1630)

ミタパープ病院でのCCC設置にあたり、同院と運用体制を協議した結果、レスキュー隊の出動から病院到着までのプロセスを監督する「指導医」1名と、救急通報を受電し、救急隊に出動指令を下す「指令員」2名が常駐することとなりました。

その後、両者の育成研修がタイ国/コンケン病院と日本人専門家の指導の下で行われ(詳細は別ページ参照)、1195は2023年10月16日に運用を開始しました。これにより、最も適切な救急車を現場に派遣し、傷病者をより迅速に病院へ搬送することが可能となりました。

しかし、財政的課題等により継続運用が困難な状況になり、2024年5月現在、運用を停止しています。これを受け、JICAと本事業実施団体は保健省およびミタパープ病院に継続対応を求める提言を行い、事業を終了しました。

 

CCCの写真

(左:センター改修前、右:改修中)

(改修後)

(電話応対を行う指令員)

 

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