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平成29年度医療技術等国際展開推進事業

平成29年度医療技術等国際展開推進事業

平成27年度、28年度に引き続き今年度も上記事業が採択され、筑波大学附属病院として「チョーライ病院との医療技術協力と卒後教育強化による地方への展開」事業としての協力が5月11日から開始されました。協力対象施設は昨年度と同様、チョーライ病院を執心に、「ホーチミン医科薬科大学、同大学で新卒の研修を行うパイロット省病院です。省病院は昨年度はティエンザン省病院でしたが今年度は同大学との話し合いによりドンナイ省病院になることが想定されます。いずれもホーチミン近郊の省病院です。チョーライ病院との協力は昨年度も協力を実施した心臓血管外科、脳外科、消化器外科、ICU、心臓内科、消化器内視鏡、腎泌尿器外科、耳鼻咽喉科との協力を引き続き実施することとしました。
 ホーチミン医科薬科大学はベトナム保健省から新卒医師の卒後ローテーション研修の責任大学として指名されており、カリキュラム作成とパイロット的な研修実施を命じられています。これを受けて昨年度には研修指導者養成のためのワークショップを実施し、地方病院での研修を募集したところ24名が応募し研修を開始するかと思われましたが、実際には1名のみでした。しかしながら昨年度の手応えもあり今後も指導者の養成とパイロット的な件数実施を進める方針です。なぜならばベトナムでは都市の大病院と地方の病院との格差が大きく州王の病院の満床率は150%を超える状況で十分な患者サービスが提供できず、地方病院の底上げは逼急の課題であるからです。ベトナム保健省では副大臣例として2008年に医師の18か月のローテーション研修が必須の制度となり、これを実施しないと臨床ができない減速がありますが、現実には実施されていないという大きな問題があり保健省、中央の大病院、医科大学などは改善に取り組んでいます。
 事業では筑波大学附属病院から医師、看護師、臨床工学士などの医療スタッフをチョーライ病院に20名、ホーチミン医科薬科大学に3名(1名は両方派遣)の計21名を派遣、チョーライ病院から医師および看護師を13名、ホーチミン医科薬科大学から医師2名を受け入れ、医療および卒後教育の改善に協力します。
各分野での技術協力のほか、特筆する活動としては11月にチョーライ病院で主に南部ベトナム省病院のスタッフを対象とした消化器疾患セミナーの開催、また新卒医師研修の指導者を養成するための臨床指導医養成ワークショップの開催をホーチミン医科薬科大学及び近郊傷病ンンで開催する予定です。また、これまでにも実施してきた遠隔医療カンファレンスも引き続き実施していきます。
本事業を通して、チョーライ病院の医療技術向上、地方の病院での新卒研修の充実による地方のレベルアップなどベトナム全体の医療の改善に繋がることを期待しています。