文部科学省から、大学改革推進等補助金の採択を受けて、大学病院が持つ「高度な診療技術の実践や研究の成果を活かしつつ、医師等の医療人のキャリア形成の各段階の支援」機能の強化のために各事業を実施しています。事業成果は積極的に地域に還元をしていきます。 本院で採択された以下のプログラムについてご紹介します。詳しくは各事業のホームページをご覧ください。(一部)
東京医科歯科大学と筑波大学は共に、産科と小児科の寄付講座を茨城県内に設置し、 高速・大容量の情報通信ネットワークによって県内主要病院と結ばれている。 本事業では、この基盤を最大限に活かし、多くの病院で研修中の医師を対象に 体系的なeラーニング講義とインテンシブコースによる技術指導を行う。将来のキャリアに応じた選択コースにより①高度医療を担う産婦人科、小児科、小児外科の専門医 ②実用化、産業化を見据えた新しい医療技術の開発や医療水準の向上を目指す研究医、 ③地域で総合的な小児在宅医療を構築できる臨床医の育成を目指します。
本事業の目的は、精神科リエゾン、リハビリテーション、コミュニティケア等多様な状況での多職種協働に対応できるメディカルスタッフを養成することです。 ①eラーニングシステムを構築し、教育コンテンツをアーカイブ化してオンデマンド型の教育が実施できる環境を整備する。また、ICT(情報通信技術)を活用した遠隔テレビ会議システムを導入し、本事業の教育拠点となる連携大学間を結び、リアルタイムで協議ができる体制を整える②地域における精神科医療に関わるメディカルスタッフの養成および多職種連携教育の実際を調査し本事業に活かすために、先進的取り組みを行っている他大学病院、医療施設、地域等の調査・視察ならびに情報交換を行うことで多職種・多機関が有機的に連携し、患者のニーズに合わせた包括的支援を行うための多職種連携システム整備を推進します。
急速な高齢化による社会構造の変化により、地域で求められる医療は「病院で治す医療」から「地域で支える医療」へと大きく変わろうとしています。これからの地域医療には、多様な健康問題に柔軟に対応でき、関係する各職種と緊密に連携して包括的なケアを提供できる総合診療医が求められています。本事業では、次世代の地域医療をリードできる、優れた総合診療医を数多く養成することを目標としています。 明確な人材養成目標に向け、学生・研修医、後期研修医、総合診療専門医の3つの段階を通して、総合診療医としての高い専門能力・研究能力を修得するとともに、地域医療のリーダーに求められるノンテクニカルスキルも、バランスよく体系的に学べる教育プログラムを構築してまいります。
取組種別 | 未来医療研究人材育成拠点形成事業(テーマB) |
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取組名所 | リサーチマインドを持った総合診療医の養成(平成25年度~平成29年度) |
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本事業は、既存の役割分担を抜本的に見直すとともに、多様化する医療ニーズにいち早く対応できる医療チームを構築し、それを実践できる人材の養成を目標とします。 人材養成に当たっては、高い専門能力を持つ病院職員が、職種の壁を越えて「互いに教え合う」文化の醸成を図り、もって他職種への深い理解に基づく緊密な多職種連携の実現と、医療の質の向上、業務の効率化を図ります。教育プロセスは、チームのマネジメント力を養成する訓練体系として産業界で確立しているTWI(Training within Industry)を医療分野に適用したTWI医療版を新たに開発して使用します。また、病院運営のマネジメントシステム(ISO9001)に則って事業の実践・評価を行います。本事業により、人材養成の体系化・標準化を図り、優れた人材が職種を超えて確実に育つ環境を実現することを目指します。
※文部科学省 チーム医療推進のための 大学病院職員の人材システムの確立イメージ図 |
本事業は、県内全域の医療施設と連携しながら、専門医療人の養成を組織的に行います。①各種資格修得の教育コースの設置と教育スタッフの養成、②派遣スタッフがすぐ活躍できるように地域共通のIT環境を整備、③病児・長時間保育施設の共同利用、子育て支援を推進する取り組みです。
本事業は、「5つの大学病院が緊密に連携・協力し、それぞれの得意分野による相互補完を図ることでより完成度の高い魅力ある研修プログラムを提供します。それぞれの大学病院における医師キャリア形成システムを充実させ、指導体制の強化をはかり、お互いの人事交流を活発化させることで、若手医師が将来に希望を持ちながら安心して研修に専念できる体制を構築するものです。
本事業は女性医師/看護師が、それぞれのライフスタイルに合わせてキャリアを重ねていけることを支援するための包括的な支援プログラムです。ひとりひとりの事情に合わせた診療・研修のコーディネート、キャリアパスについてのキャリアカウンセリング、プライベートライフとの両立のための環境整備を行い、ワークライフバランスに合わせた教育研修体制、復帰のための支援方策など実施しています。 ※文科省の事業年度は終了しましたが、本院では本プログラムの活動を継続して行っています。
本事業は、茨城県において麻酔・救急医療を担う質の高い医師を養成するための継続的、包括的、資格指向型教育研修プログラムです。(1)専任のプログラム・ディレクターを配置し、卒前から専門研修まで一貫した体系的研修を行う、(2)導入から専門研修までの各段階におけるシミュレーション・プログラムを新たに開発し、あらゆる状況の急性期医療に対応できる幅広い能力を獲得する、(3)麻酔専門医資格に加え、救急、集中治療、ペインクリニック-緩和ケアの3つのtrackを設け、複数の専門医資格が取得できることが特徴です。
本事業は、大学院教育の一環として、また大学附属病院を本拠地に、がん治療の専門医師、専門看護師、専門薬剤師、専門医学物理士などを重点的に養成するためのプロジェクトです。本事業の特徴は、大学院講義の一部でe-learningを利用する点にあり、各大学からのe-learning講義を大学、職種の壁を取り払い“プログラムジュークボックス”に登録し、施設ごと、職種ごとに適した形に再構築し、効率的な医療人育成を行う教育プログラムです。
「国際協力型がん臨床指導者養成拠点」(平成24~28年度) 申請担当大学:筑波大学 連携大学:千葉大学、群馬大学、埼玉医科大学、日本医科大学、獨協医科大学、 茨城県立医療大学、群馬県、立県民健康科学大学
本事業は、複数大学がそれぞれの個性や特徴、得意分野を活かしながら相互に連携・補完して教育を活性化し、高度ながん医療、がん研究等を実践できる優れたがん専門医療人を養成することを目的とした文部科学省のプロジェクトです。 私どものグループでは、欧米とアジアのがん医療における情報、技術、人材、物流 交流のハブの役割を日本が担うべく、医学、看護、薬学、医学物理が分野横断的に協調し、国際的な視野を持った多職種のがん専門医療人を育成することを目的に活動いたします。
がん診療連携拠点病院において、がん医療に従事する医師等に対する研修、がん患者やその家族等に対する相談支援、がんに関する各種情報の収集・提供等の事業を実施することにより、地域におけるがん診療連携の円滑な実施を図るととともに、質の高いがん医療の提供体制を確立することを目的としています。(1)がん医療従事者研修事業、(2)院内がん登録促進事業、(3)がん相談支援事業、(4)普及啓発・情報提供事業、(5)病理医養成等事業、(6)在宅緩和ケア地域連携事業等を推進しています。
厚生労働省が発行した「チーム医療推進のための基本的な考え方と実践的事例集」にもとづき、これらの取り組みを全国に普及させることを目指し、全国の病院等を選定し、「チーム医療実証事業実施施設」として、これらの取り組みによって提供可能となる医療サービスの安全性・効果等を検証する事業です。当院では、救急・集中治療チーム、抗がん剤適正使用推進医療チーム、小児病棟医療チームの活動を検証します。
本事業は、チーム医療推進のために、看護師等が専門性を発揮するために強化すべき看護業務について、看護師等の研修の場を確保することにより、医療のよりいっそうの推進を図ることが目的です。本院では、平成23年度静脈注射研修、放射線協働研修の2つの研修を県から委託され、企画実施しました。これらの研修を通して、県内の医療機関の医療の資質向上に少しでも寄与することを考えています。
本院にいばらき治験管理センターを設置し、県内医療機関の治験ネットワークを築くことにより治験を希望する患者に広く最先端の医薬品や医療機器等の提供を実施し、県内の治験の活性化を図ることが目的です。
厚生労働省の「新人看護職員研修ガイドライン」に基づき、新人看護師、新人助産師等に対して研修を行います。職場を離れて1日研修を行うことで、日頃慌ただしく過ぎてしまう看護の仕事をもう一度振り返ってみる機会となります。社会人としての基本的な態度を身につけ、病院職員に求められている社会的責任を果たすことのできる看護師の育成を目指し、平成23年度からは県内の新人看護職員医療機関受け入れ研修も実施しています。
がん対策には予防、早期発見、治療の3段階があります。本県には全国的に見ても古くから優れたがん検診が実施され、陽子線を中心に放射線治療も発達してきました。一方で進歩の著しい化学療法や緩和医療の普及は遅れを取っています。本研究は、これらの事情を踏まえて以下の4分野の研究を県内8ヵ所のがん診療連携拠点病院をはじめとする医療機関や茨城県総合健診協会等と連携協力し実施しました。
1.陽子線、中性子捕捉療法(BNCT)等の放射線療法に関する、多施設間共通プロトコールによる症例対照研究
2.多施設間共通のプロトコールによる特定のがんの化学療法の研究
3.手術、放射線療法、化学療法、免疫療法等を組み合わせた多施設間共通の集学的治療の研究
4.がん検診の有効性に関する研究
本事業は、大学病院臨床試験アライアンスにおける推進室専任事務局の整備や国際化対応、教育・研修体制などの課題を大学間で連携して先駆的に整備し、実施体制確立、国際的拠点化を目指すものです。(1)アライアンスの活動・実績の国内外への発信、(2)国際共同試験の誘致と進捗管理、(3)安全かつ効率的な臨床試験の実施体制の整備、(4)臨床試験の研究者に対する教育・支援、(5)国民や臨床試験参加者への啓発活動、(6)加盟大学病院・協力者相互の啓発活動を実施しています。