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澤田亮「怪獣医療」《チョウシンキーの長助》(会期終了)

医療器具や医療機器は、機能性に特化した形状を有しており、その機能美は美しくもあります。しかしながら、医療者や患者さんも日常的に目にするものであるがゆえに、その存在は空気のようなモノに変化して、気にも止めない存在になっています。

本プロジェクトは、機能を維持しながら、一見過剰な装飾を施すことによって、医療器具という存在を非日常にすると同時に知覚させ、その存在の意味を改めて問い直そうとする試みです。幼いころから絵本『かいじゅうたちのいるところ』が好きだった澤田亮さんは、立体作品で未知の怪獣を制作しています。本作は、医療器具に恐怖を感じるという自身の経験がきっかけでつくられました。

聴診器は、自身も気付かない体内の動きをとらえ、それを適確に医療者に伝える器具です。そして、体の内部の音を静かに聞き続け、忠実に医療者に伝達します。このように聴診器は、患者や医療者がもつ人間の身体的な知覚を超えた存在であるとともに、患者と医師という人間同士を物理的に結びつける仲介者のような存在であるかもしれません。本作を通して、医療器具に対する新たな視点を感じていただけたら幸いです。

 

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日程:2023年12月17日~11月15日
場所:筑波大学附属病院 けやき棟2階渡り廊下
展示作家:澤田亮


    

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