筑波大学附属病院
筑波大学附属病院 総合臨床教育センター

研修医の声

2年間の研修を終えた先生に一言いただきました。

初期研修を振り返って

 箱岩 沙織

初期研修を筑波大学のプログラムで行えて良かったと思う。
私の場合、初期研修期間中に2度の妊娠・出産・育児を経験したため特殊な例だと思うが、これから増えていく女性医師・研修医の立場からの感想を述べていこうと思う。

女性が医師を職業としていく際、なかには結婚・妊娠・出産という転機を迎える人がでてくるだろう。結婚まではおおよそ想定内の展開で過ごせるが、出産・育児となると想定外の事が多くなり、計画通りに物事が進まなくなる。そのため、おそらく妊娠・出産はキャリアを積んでから、仕事である程度力をつけてからと考えている人が多いのではないだろうか。
私もその一人だった。子供は6年のレジデント期間が終わった頃に、つまり30を超えてから、と漠然と考えていた。しかし実際は予想外に早い出産を迎えたわけで、すべてが手探り状態、不安がなかったといえば嘘になる。
しかし、長男が2歳となった今、子供を授かり育てながら研修医生活を送ることができて感謝している。研修医としての立場と母としての立場からその点についてまとめてみる。

まず研修としてどうだったかであるが、満足しているが正直なところ多少の未練が残る。
妊娠中はつわりや体調不良がつき物であるし、お腹が大きくなってくれば動けなくなってくる。機敏に動く同期を見てうらやましく思うこともあった。事実、妊娠・出産・子育てがなかったとしたら、時間を気にすることなくもっと研修に集中できただろう。
次に母の立場から振り返ると、出産・育児休暇中に子供を産んで母になり、また子育てを通し、女性としてだけではなく医師としても貴重な経験を得ることができた。出産の際には、入院生活を送る患者の立場から医療を見る良い機会となった。そして日々の子育てを通じて、命の尊さを実感した。
また、育児休暇の間に専業主婦を経験したことで、自分にとって職業を持ち、働くことの意味を考えることができた。
復帰してからの日々は、大変だったのは事実だがとても充実していた思う。子供は夜寝てくれないことや、熱を出すこともしばしばである。思いがけず子供が入院し、体力・精神的にも毎日を送るのがやっとだったこともある。しかし昼間は研修生活で様々な刺激を受け、夜帰ってからは大切な家族と過ごし、と内容の濃い、贅沢な2年間を送ることができた。

ここまで書くと、私が相当頑張ったかのようだが、すべては協力・支援してくれる人がいたからこそである。夫や両親、保育園、理解のある職場の先生方・職員の方々のおかげで子育てしながら働くことを実現できた。どうしても周りに負担をかけてしまうことになるので、無理をして頑張りたくなったり、申し訳なく思ったり、「一人で身軽だったらもっとこうできるのに」と歯がゆい思いをしたりした中で、私が仕事を続ける意味とは何か、何度も考えさせられた。
そして「医師になるまでも、医師になってからも沢山の方に支えられてここまできたのだから、私には医師として生きていく使命があるのだろう。今は必要ならば、周りの協力してくださる方々にありがたく甘えさせてもらって、後にもっと頑張れる時期が来たとき、何か還元できるように今できることをやっていこう」と思いながら研修生活を送るようになった。

最後になったが、研修のこと、家庭のこと、妊娠・出産を含めた体のことなど、いつでも何でも相談できる総合臨床教育センターがあって心強かった。
結婚などの転機を迎えたり、体調を崩したりと、研修中にも色々な事が起こり得る。
研修プログラム自体にも満足しているが、一人ひとりができるだけ良い研修ができるように考えてくれるシステムのもとで充実した研修生活を送ることができて良かったと思っている。

研修医コメント

佐藤 雅志

「おはよう!」

研修医部屋で交わされる挨拶から、私たちの一日は始まります。着替えたら病棟へ上がってまずは個人回診。その後上級医の先生方との朝回診に臨みます。終わったらオーダーを出しつつ、徐々に出てくる検査結果を見ながら次の一手を考える。わからなければ、どんどん上の先生に相談です。病棟業務が一段落ついたら検査に行って、自分も参加する機会を伺います。
そして週1回の教授回診や日々開かれるカンファレンスは、研修医にとって緊張感あふれる場面。一方で、そこは様々な先生方の意見を聞けるチャンスでもあります。時に厳しく指導されることもありますが、まだまだ知識も経験も浅い私たちにとって、その患者さんには何が重要でどのようなプロセスで治療を進めていくべきかを学ぶ場であり、先を見据えた戦略を立ててそれに基づいた診療を行う訓練でもあるのです。この2年間、市中病院に大学病院とそれぞれ研修を受けてきましたが、外来診療やcommon diseaseが経験できることが市中病院の特色とすれば、大学病院の特色はまさにこの点ではないでしょうか。
間もなく医師として働き始める皆さんには、将来に夢もあれば不安もあると思います。ですがどんな道にも必ず自分の糧となるチャンスはあるはずです。皆さんが実りある研修生活を送れるよう応援しています。

研修医コメント

細川 義彦 

私は筑波大学附属病院産科特別プログラムで2年目の研修を行いました。
筑波大学附属病院での研修を語る上で欠かせないものが屋根瓦方式の指導体制です。私たち研修医は上級医から手厚い指導を受ける一方で、1年目の研修医や学生に対しては自ら指導を行っています。指導を行うからには正しい知識が必要であり、指導することで自らの臨床能力を高められていると思います。
産科特別プログラムならではの特徴としては1年目より後期研修医と同様の教育を受けることができます。帝王切開などの手術執刀、分娩の管理や超音波・診察手技を身につけることができました。
産婦人科以外にも麻酔科や小児科はもちろん、産科を意識した代謝内科や膠原病内科などを優先的に研修させてもらうことができました。また、骨盤内臓器を意識して泌尿器外科や消化器外科を研修させてもらうこともできます。すなわち、自らの研修プランをアレンジできることが産科特別プログラムの最大のメリットだと考えています。
産婦人科以外の科では基本的な研修内容に加えて、産婦人科医にとって必要な知識を個別に指導してもらえ、それぞれの科でモチベーションを落とさずに研修することができました。
この恵まれた環境で私たちと一緒に研修をしませんか。

研修医コメント

後期研修レジデント・脳神経外科/小磯 隆雄 

2008.3筑波大学医学専門学群を卒業し、2008.4~2010.3筑波大学附属病院初期研修プログラムを選択しました。2年間茨城県内の関連施設及び大学病院で医師としての基本を学び、その後、後期研修として筑波大学脳神経外科を選択し、筑波大学附属病院と3つの関連施設で脳外科医として勤務しました。後期研修に当院を選んだ理由としては、当院には若い医師に積極的に治療や手技をさせて学ばせるといった傾向があったからです。いずれの施設でもその時点でできることはもちろん、少し難易度の高いことも優先的にさせていただけました(もちろん指導医監視のもと)。そのため、忙しいながらも大いにやりがいのある研修ができました。疾患としては、関連病院では特に急性期の脳血管障害や外傷を中心に学びました。大学ではそれ以外の分野として脳腫瘍、機能脳神経外科、脊髄脊椎外科、小児脳神経外科と幅広い脳疾患を経験しました。また、脳神経外科疾患の特性として、全身合併症を併発することが多く、適切な介護・看護やリハビリテーションを必要とします。そのような疾患を経験する中で、他科・他職種との連携の大切さも学べました。そして、外科といえどもアカデミックな活動も積極的に行うように指導されており、学会活動や論文の執筆も行っています。
また、当院には妊娠・出産・育児を支援する「女性医師支援プログラム」や研究との両立を支える「アカデミックレジデント」、留学希望の際には「海外派遣事業」など総合臨床教育センターのサポートが受けられるようになっており、自分の目指す道を進むことができます。

 

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