筑波大学附属病院
筑波大学附属病院 総合臨床教育センター

緩和ケアコース

研修理念

重い病を持つ人とその家族の苦痛緩和、QOLの向上を通して社会に貢献できる医師を育成する。

研修目標

緩和医療専門医の臨床の主たるセッティングである、緩和ケア病棟、緩和ケアチーム(コンサルテーション診療)、在宅緩和ケアにおいて、どの場所でも質の高い緩和ケアが提供できるようになること。

研修概要

☆緩和ケアは複数の領域を横断するサブスペシャルティ領域です。あらゆる基本学会で専門医取得後にサブスペシャリティ領域として研修することが可能です。当院では、1)初期研修修了後すぐに緩和ケアを専門にすることを目指して研修を開始する場合、2)初期研修修了後基本学会の専門医となった後に緩和ケアをサブスペシャリティとして研修したい場合、の大きく2つに分けることができます。

1)初期研修修了後すぐに緩和ケアを専門にすることを目指して研修を開始する場合
初期臨床研修修了後、4年間で内科、総合診療科の研修(筑波大学附属病院、同地域医療教育センターなど)を通じて、緩和ケアの実践に必要な基本的な診療能力の習得を目指します。この4年間に、内科を選択した場合は内科専門医を、総合診療科を選択した場合は総合診療専門医・家庭医療専門医を取得していただきます。内科、総合診療科のそれぞれの研修中には緩和ケア病棟など、緩和ケア、エンド・オブ・ライフケアに関する研修を受けられる体制を取ります。その後、専門的緩和ケアの研修として、1)緩和ケア病棟、2)緩和ケアコンサルテーション診療、3)在宅緩和ケアの3つのセッティングでの研修を義務付けています。(1−2年、内科・総合診療科での4年間の研修でどれだけ日本緩和医療学会の研修施設で研修を行ったかによって個人差あり)また、個々人の希望や将来的なプランに応じて、各診療セッティングにおける追加研修や他の専門領域(ペインクリニック、サイコオンコロジーなど)の研修もアレンジ可能です。日本緩和医療学会緩和医療専門医が取得できるように、学会発表・論文作成等に関しても支援を行います。

緩和ケア病棟・緩和ケアチーム・在宅緩和ケア
2)初期研修修了後、基本学会の専門医となった後に緩和ケアをサブスペシャルティとして研修したい場合
研修期間等をご本人とお話して、ご希望に応じて研修を行います。緩和医療専門医を取得できる2年間以上の研修を推奨しています。緩和医療専門医を目指す場合は、1)緩和ケア病棟、2)緩和ケアコンサルテーション診療、3)在宅緩和ケアの3つのセッティングでの研修を推奨しています。

取得可能な資格(取得を目標とする資格)等

  • 内科領域で研修した場合:日本内科学会内科専門医
  • 総合診療科を基本学会とした場合:日本専門医機構総合診療専門医、日本プライマリ・ケア連合学会家庭医療専門医
  • 日本緩和医療学会総合診療専門医(レジデント修了後2年以内に取得)

経験できる(するべき)疾患・手技他

内科・総合診療科の研修目標に加えて、特に以下の疾患で命の危険がある患者とその家族(年令を問わない)のケアを十分経験できるように研修します。

  1. 悪性腫瘍
  2. 心疾患
  3. 呼吸器疾患
  4. 心疾患
  5. 腎疾患
  6. 肝疾患
  7. 神経疾患
  8. 膠原病
  9. その他の臓器不全
  10. 救急・集中治療を受けている患者

以下の苦痛のマネジメントができること

  1. 痛み
  2. 呼吸困難
  3. 倦怠感
  4. 嘔気嘔吐
  5. 抑うつ
  6. 不安
  7. せん妄
  8. 便秘
  9. 下痢
  10. 嚥下障害
  11. 口渇
  12. 皮膚障害(褥瘡、悪性潰瘍を含む)
  13. 出血
  14. 鎮静
  15. 腫瘍学的緊急症

以下の能力を身につけること

  1. 倫理問題の探索と検討
  2. 社会的孤立
  3. 経済的困難
  4. 家族ケア
  5. 家族カンファレンスの運営
  6. 悲嘆のケア
  7. 治療とケアのゴールの話し合い
  8. アドバンス・ケア・プランニング
  9. 緩和ケアにおける地域連携
  10. 緩和ケアを支えるコミュニティづくり

研修予定(ローテーション例など)

  • 内科を基本領域とした場合:下記参照

養成コース長、指導医等

  • 養成コース長:筑波大学医学医療系(緩和医療学) 教授 木澤義之(総合内科専門医、緩和医療専門医)
  • 指導医:同講師 長岡広香:(総合内科専門医、緩和医療専門医)、同講師 濵野淳:(総合内科専門医、家庭医療専門医)

修了要件

研修期間中にすべてのレジデントがこの条件をクリアできるように、研修のコーディネートを行う。

  1. 定められた研修プロブラムに沿って研修していること。
  2. 研修目標について一定以上のレベルに到達していること。
  3. 内科領域で研修した場合、日本内科学会内科専門医の受験要件を満たすこと。総合診療領域で研修した場合、日本専門医機構総合診療専門医、日本プライマリ・ケア連合学会家庭医療専門医の受験要件を満たすこと。
  4. 2年以内に日本緩和医療学会緩和医療専門医の受験要件を満たす見込みがあること。

内科を基本領域とした場合

PGY 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3
1-2 臨床研修 2年間
3 院内(総診) 院内(救急) 院外(総合診療科)
4 院外(内科) 院外(診療所)
5 院外(小児科) 緩和ケア
(院内または院外)
院外(内科)
6 院外(緩和ケア病棟)
7
(レジデント修了後)
院外(診療所)
8
(レジデント修了後)
緩和ケアチーム(筑波大学医学部附属病院)

総合診療を基本領域とした場合

PGY 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3
1-2 臨床研修 2年間
3 総合内科(院外)
4 院外(緩和ケア内科・緩和ケア病棟)
5 院内(内科など) 総合内科(院内)
6 緩和ケアチーム(筑波大学医学部附属病院)
7
(レジデント修了後)
在宅緩和ケア(診療所セッティング) エレクティブス

他科専門医を取得後に研修した場合

PGY 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3
1-2 臨床研修 2年間院外(診療所)
3-6 他科基本学会専門医研修
+1
(レジデント修了後)
院外(緩和ケア病棟)
+2
(レジデント修了後)
緩和ケアチーム(筑波大学医学部附属病院)
+3
(レジデント修了後)
在宅医療(院外) エレクティブス

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