筑波大学附属病院
筑波大学附属病院 総合臨床教育センター

腎泌尿器外科コース:研修プログラム

研修目標

  1. 病態の把握、エビデンスに基づく適切な治療プランの構築及びそのアウトカムを評価できる能力を身に付けること。
  2. 深い知識と洗練された手技に裏打ちされた的確な医療技術を修得すること。
  3. 安全で良質の医療を実践すること。
  4. 疾患のみを診るにとどまらず、患者・家族の立場に立って満足して頂けるような医療の提供を身に付けること。

プログラム例

S1:大学病院において、泌尿器科臨床医としての基礎的技術・能力の修得を目指します。
S2:関連病院において、より多くの泌尿器科一般の症例を経験し、幅広い技術の修得を目指します。
C1:関連病院または大学病院においてより専門的な泌尿器科医としての技術を身につけます。
C2:大学病院において診療の中心的役割を果たすと共により高度な手術手技の習得に努めます。レジデント終了にあわせて泌尿器科専門医試験の合格を目指します(筑波大泌尿器科での合格率は100%です)。
大学病院では、悪性疾患の患者さんを中心に高度な医療技術を必要とする泌尿器悪性腫瘍の内科的、外科的考え方の基本を身につけることを目標としています。優秀な泌尿器外科医を育成するために手術教育にも力を入れ、難度の高い手術や体腔鏡手術などの手技についても研修します。また、多彩な泌尿器科悪性腫瘍に対する高度な全身化学療法の管理についても研修します。関連病院では一般的な泌尿器科としての尿路結石、前立腺肥大症、女性泌尿器科疾患、悪性疾患などに対する数多くの外来診療、検査、手術を経験します。希望者は、コースの終了後に大学院進学や海外留学をすることもできるため、後期研修医終了後のキャリアアップも可能です。上記のように、4年間で総合的に教育を行うようなキャリアパスを整えており、バランスの良い泌尿器科医を育てることを目指しています。
※Sはシニアレジデント、Cはチーフレジデントの略。S1は研修3年目、S2は4年目、C1は5年目、C2は6年目を指します。

取得できる資格(認定医等)

後期研修4年目に専門医試験を受験し、合格すれば後期研修4年目修了時点で日本泌尿器科学会認定専門医を申請できます。

経験できる疾患

泌尿器科疾患全般を経験できますが、特に悪性腫瘍の集学的治療(腹腔症手術を含む外科治療、化学療法)、神経因性膀胱、EDなどにおいて高度な研修ができます。
また、関連施設と協力して尿路結石、前立腺肥大症、女性泌尿器、不妊などの分野にも力を入れています。

経験できる手技・検査

  1. 内視鏡検査:膀胱鏡検査(硬性鏡および軟性膀胱鏡)、尿管カテーテル法、腎盂鏡尿管鏡(硬性鏡、軟性鏡)
  2. X線検査:排泄性腎盂造影(IVP)、尿道造影(UG)、逆行性腎盂造影(RP) 、精管精嚢造影順行性腎盂造影(AP)、排尿時膀胱造影(VCG)、腎嚢胞造影
  3. 超音波検査:経腹的走査(腎、肝、膀胱、尿管、リンパ節)、経直腸走査(前立腺)、経尿道走査(膀胱)
  4. Urodynamic Study:膀胱内圧測定、尿流測定、尿道内圧測定、尿道外括約筋筋電図
  5. 生検:前立腺生検、精巣生検、膀胱粘膜生検、表在リンパ節生検

経験できる手術(術者)

経験年数に応じて泌尿器科検査・手術全般を経験できます。後期研修4年目では膀胱全摘術+各種尿路変更術、ロボット補助下前立腺全摘出、前立腺全摘術等高度な手術も指導医の元で経験できます。
尿道ブジー 、陰嚢水腫穿刺、包茎手術、陰嚢水腫根治術、精管結紮術、精索静脈瘤根治術、精巣摘除術、経尿道的手術(結石、異物、粘膜生検)、精巣固定術、膀胱高位切開(膀胱瘻造設術)、精巣上体摘除術、ESWL、外尿道口切開術、腎瘻術(経皮的、開腹)、尿管切石術、腎・腎盂切石術、尿管皮膚瘻術、腎固定術、前立腺被膜下摘除(SPP,RPP)、腎摘除術(simple)、経尿道的手術(TUR-Bt, TUR-P)、開放性腎生検、膀胱部分切除術、PNL、陰茎切断術、TUL、女子尿失禁防止術、尿管膀胱再吻合術、経尿道的内尿道切開術、根治的腎的除術、陰茎形成術、腎尿管全摘術、腎盂形成術、尿道形成術、膀胱全摘術、逆流防止術、前立腺全摘術、ロボット補助下前立腺全摘出、後腹膜、骨盤内リンパ節郭清術、回腸導管造設術、副腎摘除術、精管(精巣上体)精管吻合術(顕微鏡下)、腹腔鏡下手術(副腎摘除術、根治的腎摘除術、腎部分切除術、腎尿管全摘術、非触知精巣検査など)、副甲状腺摘除術

経験できる手術(助手)

基本的に上記に同じです。

一般的な4年間の研修予定

学年 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月
S1 大学病院において、泌尿器科臨床医としての基礎的技術・能力の修得を目指します。
S2 関連病院において、より多くの症例を経験し、幅広い技術の修得を目指します。
C1 関連病院または大学病院においてより専門的な泌尿器科医としての技術を身につけます。
C2 大学病院において診療の中心的役割を果たすと共により高度な手術手技の習得に努めます。