筑波大学附属病院緩和支持治療科は、2022年4 月に附属病院に設置された新しい診療科です。当院では2004年に緩和ケアチームが設置され、入院患者さんと外来患者さんに専門的な緩和ケア診療を行っておりましたが、それを引き継ぐ形でさらに幅広く、質の高い医療・ケアを提供していきたいと考えております。
重い病気やけが(命にかかわる)になると、様々な困り事が生じます。体の痛みやつらさ、気持ちのつらさ、金銭面での心配、家族の負担に対する心配、などがあるかもしれません。また、自分が今まで過ごしてきた人生や生き方についても様々な考えが浮かぶかもしれません。
現代医学は素晴らしい進歩を遂げ、多くの難治性疾患(治ることが難しい病気)の治療法が開発され、余命は確実に延長しています。その一方で、病気を持って療養・生活する患者の数は高齢社会の中でさらに増加しつつあり、その数は年間300万人以上と推計されています。特にがん医療においては、療養生活の質を向上させることが政策の中で重点的に取り組む課題として取り上げられ、病気の治療中から終末期に至るまで緩和ケアを切れ目なく提供する体制を整備することが求められています。
緩和支持治療科では、以下の4 つのことをモットーとして診療を行っています。
- 外来・入院治療において、こころとからだの苦痛をスクリーニングし、対応が必要な苦痛に早期から終末期に至るまで継続的に対処すること
- 医療従事者の外来・入院診療を、苦痛の緩和と治療・ケアに関する意思決定支援(患者・家族が、望んだ場所で適切な療養生活を送ることができること)の両面からサポートすること
- 治療によって生じる痛みをはじめとする苦痛にも対応すること
- すべての重い病を持つ患者さんとご家族を対象とし、がん以外の疾患の緩和ケアに積極的に取り組むこと
関連リンク
対象疾患・状態
がん、慢性心不全、慢性閉塞性肺疾患、慢性腎臓病などの重い病をもつ患者さん、特に専門的な緩和ケアが必要な患者さんとそのご家族(対応が難しい苦痛や複雑な今後の治療・ケアの方針決定が必要な方など)の診療・ケアに主治医グループとともにあたっています。
先進医療等への取り組み
症状緩和
病期を問わず(終末期だけではなく)、痛みや呼吸困難をはじめとするつらい症状の緩和に力をいれています。痛みについては薬物療法(医療用麻薬の使用を含む)はもちろん、神経ブロックや放射線治療などについても麻酔科、放射線腫瘍科などと協力してその適応を検討し、対応が困難な諸症状の緩和に努めています。
意思決定支援
重い病の治療・ケアにあたっては、病状を踏まえてご本人の価値観や生活にあった療養をすることがとても大切です。私たちはどんな治療やケアが自分に合っているかを考えるお手伝いをしています。
また病状が進行すると意識状態が悪くなり、自分で治療やケアについて決めることが難しくなることがあります。その状況に対応するために、「アドバンス・ケア・プランニング」(あらかじめ、病状の経過に応じて、どのような治療や療養を受けたいかについてご家族を交えて相談しておくこと)の実践に力を入れています。
スタッフ
教授
(緩和ケアセンター部長)