育成プログラム 専攻医対象

総合診療研究実践プログラム

1.学習目標

地域医療・総合診療・家庭医療、医学教育分野の領域において、研究テーマの設定、研究の計画・実施、結果解析、論文発表のプロセスの実践を通して、独立して研究を実施・指導できる能力を修得する。

2.個別目標(Objectives)
3.各学年の到達目標

<博士課程1年次>

研究基礎コース(研究に関する基本的知識を修得するため、以下の内容について学ぶ)
研究を進めるための基本的知識 ・疫学
・統計学
・研究デザイン
・研究倫理
研究のスキル ・文献検索と批判的吟味
・ソフトの使い方
研究基礎コース:疫学(以下の用語について説明できる。)
研究デザイン:
質的・量的、前向き・後ろ向き、観察・介入、横断・縦断、コホート、ケースコントロール、RCT、メタアナリシス、罹患率、有病率、感度、特異度、オッズ比、尤度比、ROC曲線、リスク比、バイアス、信頼性、妥当性
研究基礎コース:統計学(以下の用語について説明できる。)
サンプルと母集団、変数の種類
分散、標準偏差、標準誤差、正規分布、パラメトリック/ノンパラメトリック
信頼区間、P値、有意水準、検出力、αエラー、βエラー、サンプルサイズ、統計学的有意、多重比較
代表的な検定方法:t検定、カイ二乗検定、対応のあるt検定、マクネマー検定、ウィルコクスンの順位和検定、符号付き順位和検定、分散分析、相関、多変量解析(重回帰、ロジスティック回帰)
研究基礎コース:研究デザイン・研究倫理(以下の用語について説明できる。)
・すぐれた研究テーマの条件(FINER)
・サンプリング
・アウトカム(Primary,secondary)
・研究プロトコールの書き方
・研究倫理
研究基礎コース:文献検索と批判的吟味
・疑問の定式化ができる。
・Meshを利用したPubMedの検索ができる。
・論文の批判的吟味ができる。
・研究デザインの評価
・結果の解釈
・自分の研究への適用
研究基礎コース:ソフトの使い方(以下のソフトについて基本的な操作方法を習得する。)
・Excel
・Endnote
・SPSS(2年次でも可)
研究テーマの決定(主論文のテーマが決まっていること)
・リサーチクエスチョンを挙げ、その新規性・実施可能性等を検討して、取り組むべきテーマを決める
・そのテーマに関連した先行研究のレビューを行う(目安として論文50本以上)
副論文にする研究課題が具体的に決まっていること
研究計画を理解し、自らが担当する研究テーマを決定する

※主論文と副論文
主論文:研究テーマの設定から論文掲載までのすべてのプロセスについて自ら担当する。原則として主論文のテーマが学位論文となる。
副論文:低学年のうちに、研究のプロセスを理解することを目的として、すでに計画・実施されている研究に参加して論文にまとめる。

<博士課程2年次>

<博士課程3年次>

<博士課程4年次>

フロンティア医科学(修士)

<修士1年次>

<修士2年次>

9月:中間審査
1月:ディサテーションの締切
1月:本審査
2月初旬:ディサテーション修正、提出
3月:卒業

4.学習方略

セミナー等の参加について。以下のセミナー等に参加すること

リサーチセミナー(金曜午後)
原則として毎週
アカデミックレジデント・社会人大学院生は、半分以上 (全員集合日(3か月に1回)は必ず出席すること)
資料の準備等は大学院生で当番を決めて行う
研究ワークショップ(年2回、休日)※第1回:7月12日(土)予定
量的研究・質的研究の方法論をワークショップ方式で学ぶ
統計セミナー(年1回) ※2学期のリサーチミーティングにて実施
研究の基本(統計学等)について、演習を通して実践的に学ぶ
該当する項目の指定教科書を熟読して臨むこと
上級生がファシリテーターを務める
GCP(Good Clinical Practice)セミナー
受講が倫理審査申請を行う条件となるので、必ず参加すること
リサーチセミナー

(1)研究計画進捗報告

各自の研究計画、実施状況についての報告と討論
1人45分(プレゼン15分、討論30分)×2名/1回
事前に担任と相談の上、目的を明確にして臨むこと

(2)抄読会

各自の研究分野のUpdateおよび批判的吟味のトレーニングのために抄読を行う。(60分×1名)
同時に基礎的な英語の能力の向上をはかることも目的とし、選択する論文は英文原著とする
担当者は、事前に発表日の司会を担当するtrainerの指導を受けた上で発表を行う:2W前:論文送付、1W前:抄読会用シート送付

(3)研究勉強会(統計セミナー等)

全員集合日に開催(3時間/日)
研究の基礎的な知識・技能について学ぶ
該当する項目の指定教科書を熟読して臨むこと

個別指導

各自の研究テーマに基づいて、 2nd authorとなる担任を決める。
担任と個別に連絡を取り、研究テーマの設定、先行研究のレビュー、研究計画書の作成、倫理委員会の申請、研究の実施(データ収集)、統計解析、論文執筆および投稿の手順を進める。
定期的に研究グループ長との面談を行い、進捗状況や必要な支援等について情報を共有する。

リサーチイヤー

臨床のdutyを減らし、主として研究に取り組む時間として設定
研究の進捗や人員配置を勘案して、おおむね6か月~1年設置する
フリータイムではない!研究を優先して時間が使える貴重な機会であり、計画的に使うこと

ディスタントコース

毎週金曜のリサーチセミナーに、月1回程度参加
集中的に研究指導を受ける1週間程度のスクーリングを年2回(期間・回数は準備状態と進み具合によって変わる可能性あり)。
年2回、週末に開催される研究WSに参加する。
これ以外の研究指導は、メールやスカイプなどを通して行う。
学位取得まで4年以上かかる可能性もある

5.学習評価

<博士課程1年次>
研究基礎コース:学期毎に(9月、3月)口頭試問、筆記試験および実地試験を行う。
学期毎に指導教員(研究グループ長)との面接試験を行い、研究テーマ設定、論文のレビューなどに関して到達度を評価する。

<博士課程2年次>
学期毎に指導教員(研究グループ長)との面接試験を行い、研究計画(主論文)、論文投稿(副論文)の進捗状況を評価して、中間審査申請書が完成していることを確認する。

<博士課程3年次>
中間審査に合格すること。
指導教員(研究グループ長)との面接試験を行い、論文投稿(主論文)、Dissertationのプロット作成の進捗状況を評価する。

<博士課程4年次>
学位審査に合格すること。
指導教員(研究グループ長)との面接試験を行い、地域医療教育学分野において、独立して研究を実施・指導できる能力を修得しているか評価する。

<修士課程1年次>
研究基礎コース:学期毎に(9月、3月)口頭試問、筆記試験および実地試験を行う。
学期毎に指導教員(研究グループ長)との面接試験を行い、研究テーマ設定、論文のレビューなどに関して到達度を評価する。

<修士課程2年次>
審査に合格すること。
指導教員(研究グループ長)との面接試験を行い、地域医療教育学分野において、独立して研究を実施・指導できる能力を修得しているか評価する。

6.教科書(全員購入すること)
7.参考書
8.ソフトウェア

基本スタンス:研究に必要なものは、基本的には自分で購入。 ただし、大学全体で(無料で)ダウンロードできるものは積極的に利用する。
Word、Excel、 PowerPointなどのOfficeプログラム
文献管理 EndNote等
統計解析 SPSS
※筑波大学学術情報センター情報システム開発部門 http://www.cc.tsukuba.ac.jp/computer/license/ よりダウンロード可能
※ダウンロード版ではできない解析のために 教室にSPSSパソコンを用意