本院では、総合診療専門医を取得したのちに、その専門性を活かしてさらにキャリアアップをはかるための選択肢が数多く用意されています。フェロープログラムでは、総合診療に関連する以下の5テーマが用意されています。1~2年の研修で当該領域の高い専門性を身につけるのはもちろんのこと、将来の地域医療のリーダーとして、組織を構築し、自らが後進を育てられる能力についても体系的に養成するのが特徴です。研修には、単なる実務経験だけではなく、教育上の必要性に合わせて講義・演習などのOff the Job Trainingやふりかえりの機会が計画的に用意されており、より深い学びを得て、それを将来に活かすことができます。
総合診療医フェロープログラム コース設定
総合診療領域の発展には、現場発の質の高いエビデンスが欠かせません。しかし、総合診療医が活躍を期待される地域医療の場には、研究計画の作成や統計解析などの研究プロセスを支援するしくみは十分とはいえません。そこで、豊富な研究資源とノウハウを有する筑波大学が組織的に関与して、忙しい臨床医でも、現場ならではの疑問をリサーチを通して明らかにするプロセスを支援する体制を整えています。同時に、その実践を通して総合診療医のリサーチマインドの涵養と研究実施能力の向上を図り、最終的には独立して研究を実践できる人材の養成をめざします。 本プログラムは、大学院の博士課程のコースとして、卒業時に博士(医学)が取得できます。また、公衆衛生修士(MPH)も取得可能です。総合診療医が研究を学ぶことは、臨床における科学的思考力や情報解釈能力を高めることにもつながります。この大学院コースから、今後の総合診療分野の発展を推進できる多くの研究者が生まれることが期待されています。
地域包括ケアシステムを基盤とする地域医療の現場で、リーダーシップを発揮する人材はドクターとは限りません。より患者に近い存在である看護師も重要なリソースです。
本プログラムは、既に高度な実践力を持つ専門看護師( Certified Nursing Specialist )を対象に、地域基盤型看護実践に焦点をあてた博士教育課程を提供するものです。
フィジカルアセスメント能力や看護臨床技能をさらに強化するのみならず、高度な判断力でケアをデザインしプログラミングするノンテクニカルスキルや、多角的視点による学際的検証ができる研究能力も養成します。さらに、サブスペシャリティとして、下記のひとつを選択し、看護師のより深い能力と高度な実践力を養成します。
1 | 緩和ケア |
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2 | リハビリテーション |
3 | 地域精神医療(認知症関連等) |
4 | 家族・在宅ケアにおける高い看護の専門性と教育能力 |
前野教授による看護師向けフィジカルアセスメント講座