構成員(2023年4月1日現在) | |
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部長 | 和田 哲郎 病院教授 |
副部長 | 左津前 剛 病院教授 |
GRM | 山田 緑 看護師長 |
部員 | 中澤 健介、木全 啓、小島 明子、嶋田 沙織、平井 理心、香取 伸明、池田 一郎、白井 裕二、吉川 瞳 |
筑波大学附属病院は、明日の世代を担う医師や看護師を養成するために「良い医療・模範となる医療」を行っています。また、さまざまな健康上の問題をかかえる方々に対して、他の施設では行っていない高度先進的な医療を必要に応じて提供するなど、新しい医療技術を開発することにも力を注いでいます。
医療安全管理部は、皆様に良い医療を提供できるよう支援する部門です。良い医療とは何か、良い医療をどのように実現するのか、いつも考えています。そして、病院で働く全職員に問いかけています。
病院には、医師、看護師、薬剤師、技師、事務職員など多くの職員が働いており、それぞれが専門的技術を有しています。私達は、職員一人一人がその能力を十分に発揮すること、そして力をあわせることが、全体としてバランスのとれた良い医療を行うために大切であると考えています。
一人一人の患者さんに行われる医療は、それぞれ違います。つまり、医療はすべてオーダーメードです。最良の医療は、(a) 適切な診断に基づき、(b) 十分な知識とよく吟味された治療方針のもとに、(c) よく準備された適切な手順で実行されます。私達は1年間に、外来ではのべ約32万2千人、入院では約2万6千人の方々を毎年診療しており、多くの皆様にご満足いただいていると自負しております。
しかしながら、最良の医療は一つとは限りません。また、人に寿命があるように、どんなに努力しても医療には限界があることも事実です。皆様にはあまりに過度な期待をしていただかないように、(d) 病気や治療法について詳しくご説明いたしますからよく学んでください。また、(e) 複数の方法が考えられるときはもっとも自分に合った方法を選んでください。
私達はどんな状況でも患者さんにとって最善の方法を選べるように支援いたしますから、まずは受け持ちの医師に積極的にご相談しご希望をおっしゃってくださるようお願い申し上げます。
チーム医療のあり方、中央診療施設(中央放射線部や検査部など)との連繋、 診療録の記載、さまざまな情報伝達の手段やコミュニケーションの技法について教育的活動を行っています。
標準的医療を示すガイドラインを収集し、必要に応じ職員に呈示できるようにしています。医学のみでなく看護学や医療制度に関する教育や啓蒙にも努力しています。
医療行為に伴う誤りを減らし、事故を防止するために、誤り易い手順の発見と防止対策の立案、もし不適切なことが起きてしまったときでも、悪い結果に結びつかないようにする方法の立案、およびこれらの実現に努めています。
インフォームドコンセントの方法と重要性を全職員に周知させ実行させるように努力しています。また、トラブル発生時にはコンフリクトマネージメントについて助言しています。
さまざまな利害がある中で、医療を受ける人がもっともよい方法を選んでいただけるよう支援しています。
体制図(PDF形式:216KB)
本院のリスクマネージメント体制は3層構造です。
2022年4月に医療事故防止マニュアル(第9版)を作成しました。本院ではリスクマネージメント(RM)委員会が毎月1回定期的に開催され、インシデント主要事例とオカレンス全例(インシデント、オカレンスの定義は「病院内で起きた医療行為を含むすべての事象のうち、患者、病院を訪れる者および職員等の人身の安全に悪影響を及ぼす恐れのあるものであり、別表(オカレンスリスト)に掲げるもの及び医療安全管理部長が定めるものとする」)を分析し、安全管理指針を作成するとともに医療事故の判断および事後対策を決定するなど、医療安全レベルの向上に努力しております。
影響度分類
レベル | 障害の継続性 | 障害の程度 | |
---|---|---|---|
レベル0 | ― | ― | エラーや医薬品・医療用具の不具合が見られたが、患者には実施されなかった |
レベル1 | ― | なし(軽微) | 患者への実害はなかった(何らかの影響を与えた可能性は否定できない) |
レベル2 | 一過性 | 軽度 | 処置や治療は行わなかった(患者観察の強化、バイタルサインの軽度変化、安全確認のための検査などの必要性が生じた) |
レベル3a | 一過性 | 中等度 | 処置や治療を要した(消毒、湿布、皮膚の縫合、鎮痛剤の投与など) |
レベル3b | 一過性 | 高度 | 濃厚な処置や治療を要した(バイタルサインの高度変化、人工呼吸器の装着、手術、入院日数の延長、骨折など) |
レベル4a | 永続的 | 軽度~中等度 | 永続的な障害や後遺症が残り、機能障害や美容上の問題は軽度~中等度(後遺障害等級表において第10級~第14級相当)である |
レベル4b | 永続的 | 中等度~高度 | 永続的な障害や後遺症が残り、機能障害や美容上の問題は中等度~高度(後遺障害等級表において第1級~第9級相当)である |
レベル5 | 死亡 | 死亡(原疾患の自然経過によるものは除く) |
参考:身体障害者福祉法、民事交通事故損害賠償額算定基準(財団法人日弁連交通事故相談センター)
(事故の分類)
1.リスクマネージメント委員会において、患者への影響の度合いに基づき、影響度3b以上の医療過誤を「重要事故」、「主要事故」と「その他事故」に分類する。
「重要事故」は、患者の死亡または重篤かつ永続する臓器の機能障害を生じたものとする。
「主要事故」は、重要事故と比べ軽度ではあるが、相当程度の影響があったものとする。
「その他事故」は、重要事故、主要事故にはあたらないものをいう。
(公表の内容)
2.「重要事故」では、事故の経緯、対応、原因について公表し、再発防止対策については公表の時点で行われているものおよび計画されているものを公表する。
年度 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | R1 | R2 | R3 | R4 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
インシデント | 2243 | 2311 | 2700 | 2564 | 2576 | 2559 | 2515 | 2507 | 2892 | 3386 | 3638 | 4124 | 4102 | 3497 | 3677 | 3955 |
オカレンス | 484 | 505 | 490 | 561 | 528 | 495 | 509 | 407 | 497 | 546 | 513 | 643 | 601 | 714 | 630 | 677 |
計 | 2727 | 2816 | 3190 | 3125 | 3104 | 3054 | 3024 | 2914 | 3389 | 3932 | 4151 | 4767 | 4703 | 4211 | 4307 | 4632 |
3b以上の医療過誤 | 0 | 4 | 1 | 0 | 2 | 1 | 0 | 1 | 1 | 3 | 1 | 2 | 0 | 1 | 2 | 3 |
本院の安全管理システムと現況 -2022年度報告-
<インシデント・オカレンスの件数の表>
インシデント | オカレンス | |
---|---|---|
医師 | 408 | 331 |
看護師 | 3180 | 301 |
薬剤師 | 88 | 2 |
放射線技師 | 31 | 7 |
検査技師 | 39 | 5 |
事務職 | 59 | 18 |
その他 | 150 | 13 |
計 | 3955 | 677 |
組織リスクマネージャー連絡会議を毎月開催し問題点を討議しました。
組織リスクマネージャー連絡会議は、月1回開催されています。
本院のすべての組織(診療部グループ、部、室及び課)にリスクマネージャー、サブリスクマネージャーを置きました。
リスクマネージャーは、当該組織の安全確保状況について、定期的に点検し、システムの見直しや当該組織の構成員への指導・助言や医療事故防止のためのマニュアルの見直しなどを業務とし、積極的に担っています。
また、月1回の安全確保状況の報告もしなければなりません。
この会議は、リスクマネージャーおよびサブリスクマネージャーが集まり、院内で検討し定められた安全管理体制に関する方針や決定事項を報告し、組織の構成員に周知するのが、主な活動内容です。
委員会は、病院長をはじめとし、医療安全管理責任者、医薬品安全管理責任者、医療機器安全管理責任者、インフォームドコンセント管理責任者、副病院長、手術部長、放射線部長、医療情報経営戦略部長、医療安全管理部長、医学医療系教員、看護部長、病院総務部長、専任リスクマネージャー看護師長らで活動しています。開催は、月1回で全員の出席が求められています。
主な活動内容は、
M&M委員会では2022年度 340件の診療録を検証し、医療の質向上に役立てるため議論を深めました。
国立大学附属病院医療安全管理協議会での活動を通じて、他の国立大学病院と相互チェックを行い、連携して医療安全の向上に取り組んでいます。