呼吸器外科は肺、気管支、縦隔、胸壁の手術治療を担う科です。対象疾患は、肺がんを中心とし、転移性肺腫瘍、胸腺腫等の縦隔腫瘍などの腫瘍性疾患に加え、自然気胸、重症筋無力症、膿胸、多汗症、胸部外傷など多岐にわたります。中心疾患の肺がんの重要度はますます高くなってきています。日本は、現在 2 人に 1 人が「がん」に罹患し、 3 人に 1 人が「がん」で死亡する時代となりました。がん死亡を部位別にみると男女共に肺がんが最多です。肺がんの罹患と肺がんによる死亡は増え続けており、肺がんは、現在そして将来的にも日本人にとって最も重要な疾患であると言って過言ではありません。肺がんに対する最も効果的な治療は手術であり、手術可能な時期に発見し、手術を中心とした治療を行うことが肺がん対策のカギです。手術法は近年大きな進歩を遂げ、大きく胸をあける開胸手術から胸腔鏡やロボットを用いた体にやさしい低侵襲手術へと変遷してきています。当科では胸腔鏡・手術ロボットを積極的に用い、さまざまな工夫を重ね、開胸手術を凌ぐ精度の肺がん手術を安全に遂行しています。
肺がん、縦隔腫瘍、気胸、膿胸、胸壁腫瘍、悪性胸手膜中皮腫、手掌多汗症 等
肺・気管支・胸壁・縦隔の外科疾患を対象に専門的な診療を行っています。胸部・呼吸器領域の腫瘍性疾患、悪性疾患の診断・治療、気胸・肺嚢胞性疾患・肺気腫、重症筋無力症、胸郭変形などの疾患の診断と外科手術を中心とした治療を行っています。外来は火曜日を除く平日に行っています。疾患の性格上、外来初診の患者さんのほとんどは紹介患者ですが、胸部異常陰影の検査のためといった御依頼も受け付けています。入院患者は年間500名程度、手術例数は320件を超えています。診断においては、内科、放射線診断部、光学医療診療部、病理部と、また治療においても内科、放射線治療部、光学医療診療部と協力して、外科治療のみにとどまらないきめ細やかな診療を心掛けています。この体制のもとに進行例にも集学的治療を積極的に遂行し、肺尖部胸壁浸潤がん・気管腫瘍等難易度の高い治療を、県内全域から紹介を受け、手術を中心とした集学的治療にあたっています。
適応症:原発性肺がん・転移性腫瘍・縦隔腫瘍 等
従来の胸部の手術は、30cm前後の皮膚切開で筋肉と肋骨を切断し、肋間を開大して行われていました。時代の流れとともに低侵襲な手術が注目を集め、呼吸器外科の分野にも胸腔鏡手術という新しい方法が提唱されるようになりました。胸腔鏡という細いカメラを肋骨と肋骨の間から挿入して、テレビモニターに映し出される画面を見ながら手術を行う方法です。近年の胸腔鏡技術の進化により、肺がんに対する標準手術(肺葉切除、縦隔リンパ節郭清)も 4 ~ 5 cmの皮膚切開で、筋肉や肋骨を切断することなく行うことが可能となりました。2018年からは手術用ロボットdaVinciを用いたロボット支援手術も導入しています。ロボット手術はさらに創は小さく、微細な操作の精度向上が期待できます。
当科では原発性肺がんの手術において 9 割以上を低侵襲に行っています。術後の痛みは圧倒的に軽減され、術後合併症の減少や術後呼吸機能が維持されます。また、早期退院、早期社会復帰が可能となりました。当科では低侵襲手術において、安全で確実なリンパ節郭清法の確立や独自の手術器具の開発などに積極的に取り組み、学術集会等で提案し、高い評価を得ています。また、個々の患者さんの気管支・肺動静脈をCTデータを基に3D画像に再構成し手術シミュレーションを行い、さらに手術の精度を向上させ区域切除等の積極的縮小手術も胸腔鏡下に遂行しています。
9:00-12:00 | 13:00-17:00 | |
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月 | オンコール医師(手術日) | |
火 | オンコール医師(手術日) | オンコール医師(手術日) |
水 | 佐藤 幸夫、 市村 秀夫 ※第1・3・5週、 佐伯 祐典※第2・4週 |
後藤 行延 |
木 | 小林 尚寛※第1・3・5週 | オンコール医師(手術日) |
金 | 市村 秀夫、小林 尚寛、河村 知幸 |
小林 尚寛 |
※休診:(休)、午前のみ診察:(前)、午後のみ診察:(後)、Dr.指定患者のみ診察:(指)、初診のみ診察:(初)
診察室 | 9日(水) | 10日(木) | 11日(金) | ||
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A160 | 佐藤 幸夫 上田 翔(前) |
小林 尚寛 | 市村 秀夫(前) 後藤 行延(後)(指) 小林 尚寛 北沢 伸祐(前) |
診察室 | 14日(月) | 15日(火) | 16日(水) | 17日(木) | 18日(金) |
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A160 | スポーツの日 | 佐藤 幸夫 市村 秀夫(後) |
小林 尚寛 | 市村 秀夫(前) 小林 尚寛 上田 翔(後) 北沢 伸祐(前) |
診察室 | 21日(月) | 22日(火) | 23日(水) | 24日(木) | 25日(金) |
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A160 | 佐藤 幸夫 上田 翔(前) |
小林 尚寛 | 市村 秀夫(前) 後藤 行延(後)(指) 小林 尚寛 北沢 伸祐(前) |
診察室 | 28日(月) | 29日(火) | 30日(水) | 31日(木) | |
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A160 | 佐藤 幸夫 市村 秀夫(後) |
小林 尚寛 |
肩書き | 氏名 | 専門分野 | 専門医 |
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教授 | 佐藤 幸夫 | 呼吸器外科、肺癌治療、胸腔鏡手術、ロボット支援手術、集学的治療 | 日本外科学会指導医 / 日本外科学会専門医 / 日本呼吸器外科学会指導医 / 呼吸器外科専門医 / 日本呼吸器外科学会ロボット支援手術プロクター / 日本胸部外科学会指導医 / 日本呼吸器内視鏡学会指導医 / 日本呼吸器内視鏡学会専門医 / 日本がん治療認定医機構認定医 |
教授 | 市村 秀夫 | 呼吸器外科、肺癌治療、ロボット支援手術、集学的治療 | 日本外科学会指導医 / 日本外科学会専門医 / 日本呼吸器外科学会指導医 / 呼吸器外科専門医 / 日本呼吸器外科学会ロボット支援手術プロクター / 日本呼吸器内視鏡学会指導医 / 日本呼吸器内視鏡学会専門医 / 日本がん治療認定医機構認定医 |
病院教授 | 後藤 行延 | 呼吸器外科、肺癌治療、一般外科、胸腔鏡手術、ロボット支援手術、気管支鏡診断治療、細胞診断 | 日本外科学会指導医 / 日本外科学会専門医 / 呼吸器外科専門医 / 日本呼吸器内視鏡学会指導医 / 日本呼吸器内視鏡学会専門医 / 日本がん治療認定医機構認定医 / 肺がんCT検診認定医 / 日本臨床細胞学会細胞診専門医 / 胸腔鏡安全技術認定医 |
准教授 (茨城県地域臨床 教育センター) | 菊池 慎二 | 呼吸器外科、肺癌治療、一般外科、胸腔鏡手術、気管支鏡診断治療 | 日本外科学会専門医 / 呼吸器外科専門医 / 日本呼吸器内視鏡学会専門医 / 日本がん治療認定医機構認定医 / 日本呼吸器内視鏡学会指導医 / 呼吸器専門医 |
講師 | 小林 尚寛 | 呼吸器外科、肺癌治療、一般外科、胸腔鏡手術、気管支鏡診断治療 | 日本外科学会専門医 / 呼吸器外科専門医 / 日本呼吸器内視鏡学会指導医 / 日本呼吸器内視鏡学会専門医 / 日本がん治療認定医機構認定医 / 呼吸器専門医 |
講師 | 北澤 伸祐 | 呼吸器外科、肺癌治療、一般外科、胸腔鏡手術、気管支鏡診断治療 | 日本外科学会専門医 / 呼吸器外科専門医 / 日本呼吸器内視鏡学会専門医 / 日本がん治療認定医機構認定医 / 肺がんCT検診認定医 |
病院講師 | 佐伯 祐典 | 呼吸器外科、肺癌治療、一般外科、胸腔鏡手術、気管支鏡診断治療 | 日本外科学会専門医 / 呼吸器外科専門医 / 日本呼吸器内視鏡学会専門医 / 日本がん治療認定医機構認定医 |
病院助教 | 河村 知幸 | 呼吸器外科、肺癌治療、一般外科、胸腔鏡手術、気管支鏡診断治療 | 日本外科学会専門医 / 呼吸器外科専門医 / 日本がん治療認定医機構認定医 |