乳腺・内分泌(甲状腺・副甲状腺・副腎)疾患の診断、治療を行っています。どの臓器も良性疾患、悪性疾患があり、経過観察、薬物療法、手術療法、放射線療法まで、さまざまな治療法があります。個々の患者さんの状態にあった治療が選択できるように、当科が中心となって説明し、放射線腫瘍科、腫瘍内科、内分泌内科と連携し診療を行っています。最近の知見やガイドラインを踏まえた上、患者さんの生活背景も考慮して、治療の御相談をしております。乳腺では乳房再建、といった整容性に配慮した手術も行っています。
甲状腺の良性疾患として、甲状腺機能異常や感染性疾患、良性結節、びまん性腫大があります。まず、薬物療法などの保存的治療を行います。バセドウ病では、長期の内服治療で寛解困難な症例では、①放射線内用療法(アイソトープ治療)、②外科的切除の選択をお勧めしています。内服薬で副作用が強い場合、眼症を認める場合、早期に妊娠を希望されている場合は、外科的切除をお勧めしています。巨大甲状腺腫に関しても、御相談により手術切除を行うこともあります。橋本病(慢性甲状腺炎)に関しては、甲状腺機能低下症が見られる場合は甲状腺ホルモンの補充をします。橋本病では、まれに悪性リンパ腫の合併を認め、特に急速に甲状腺が腫大する際には超音波検査が必要です。必要時には生検を行い、血液内科と連携して診断をしています。
甲状腺腫瘍については、超音波検査と細胞診で悪性を疑う病変か良性を疑う病変か診断しています。良性でも、硬く大きく、外見上あるいは生活に支障が出るもの、急速に大きくなる腫瘍に関しては、御相談し手術切除をしています。甲状腺癌に関しては、組織型、分化度、進行度に応じて、最も適切な治療法を選択できるよう御説明しています。1 cm以下の癌(微小癌)に関して経過観察の選択もお勧めしています。進行度に応じて、外来で行える範囲の甲状腺摘出後の放射線内用療法や、近年保険適応となった薬物療法も行っています。
甲状腺の手術療法に関しては、根治性を重視し、なおかつ、合併症の少ない手術に取り組んでおり、副甲状腺機能の温存、反回神経の温存、喉頭周囲の発声に関わる筋肉の温存を心がけています。必要時には反回神経再建も行っています。
原発性副甲状腺機能亢進症、二次性(腎性)副甲状腺機能亢進症に対する診断、手術を行っています。副甲状腺ホルモンの過剰分泌は、高カルシウム血症、骨粗鬆症、尿路結石の原因となります。高カルシウム血症は、倦怠感、頭重感、食欲低下など非特異的な症状から重症例では意識障害を来します。採血、尿検査で診断後、超音波検査やシンチグラフィ―で、腫大した副甲状腺腫瘍の局所診断を行い、手術切除しています。多くは、腺腫、時に過形成といった良性腫瘍ですが、まれに悪性腫瘍も認めます。二次性副甲状腺機能亢進症では、薬物療法の内科的治療も可能ですが、薬物療法でコントロール不良な場合には、腎臓内科と協議の上、手術切除を行う事があります。
本院の特徴は早期乳癌の確実な診断にあります。2003年には世界に先駆けて組織弾性映像法(エラストグラフィ)を日立メディコとともに開発しました。これにより、良性疾患への侵襲的な診断を回避することが可能となっています。確定診断は、穿刺吸引細胞診、針生検、吸引式組織生検、ステレオガイド下マンモトーム生検により行います。さらにMRI、CTを駆使して乳癌の広がりを確実に評価し、必要最低限の組織の切除を行っています。この15年間での乳房温存療法の局所再発率は1.5%であり、極めて低率です。初期の乳癌の治療方法には乳房温存療法、乳房切除術、御希望により形成外科チームと共に乳房再建術を提供しています。また、センチネルリンパ節生検を行い、リンパ浮腫予防に努めています。腫瘍の大きさや再発リスクに応じて、術前化学療法もしくは内分泌療法を行い、癌を縮小させた後に外科的切除を行う場合もあります。術後の放射線治療は放射線腫瘍科が担当し、コンピューターを用いて位置を正確に測定し照射範囲を決定しています。術前後の全身療法、再発治療は世界的な標準治療に基づき実施しており、また臨床試験や治験も積極的に導入しています。化学療法は快適性、安全性に配慮し、専門薬剤師や看護師の常駐する外来化学療法室で実施しています。遺伝診療部との連携により、家族性/遺伝性乳癌への対応も行っています。近隣の医療機関と「つくば乳癌ネットワーク」を設立し、定期的なカンファランスを開催し、お互いの交流を図りながら最先端の治療の知識を共有し、その能力の向上および適切な医療の提供に努めています。
9:00-12:00 | 13:00-17:00 | |
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月 | 井口 研子 | |
火 | 坂東 裕子(乳腺疾患)、上田 文 松尾 知平 |
原 尚人(内分泌)、橋本 幸枝 佐藤 璃子 |
水 | 岡﨑 舞、担当医 | |
木 | 原 尚人(内分泌)、井口 研子 岡﨑 舞 |
坂東 裕子(乳腺疾患)、上田 文 松尾 知平、蒲原 玲南 |
金 | 橋本 幸枝 |
9:00-12:00 | 13:00-17:00 | |
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月 | 井口 研子、橋本 幸枝、松尾知平 | |
火 | ||
水 | ||
木 | ||
金 | 坂東 裕子、岡崎 舞、上田 文、佐藤 璃子 |
肩書き | 氏名 | 専門分野 | 専門医 |
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教授 | 原 尚人 | 乳腺外科、内分泌外科 | 日本外科学会認定医 / 日本外科学会専門医 / 日本外科学会指導医 / 日本乳癌学会認定医 / 日本乳癌学会乳腺専門医 / 日本乳癌検診学会マンモグラフィ読影医 / 日本内視鏡外科学会技術認定医 / 日本がん治療認定機構暫定教育医 / 日本内分泌外科学会内分泌外科専門医 / 日本乳癌学会乳腺指導医 / 日本甲状腺学会専門医 / 日本内分泌外科学会内分泌外科指導医 |
准教授 | 坂東 裕子 | 乳腺外科、内分泌外科 | 日本外科学会認定医 / 日本外科学会専門医 / 日本外科学会指導医 / 日本乳癌学会認定医 / 日本乳癌学会乳腺専門医 / 日本乳癌検診学会マンモグラフィ読影医 / 日本がん治療認定機構暫定教育医 / 日本超音波医学会超音波専門医 / 日本超音波医学会超音波指導医 / 日本がん治療認定機構がん治療認定医 / 臨床遺伝専門医制度委員会臨床遺伝専門医 / 日本乳癌学会乳腺指導医 / 甲状腺超音波ガイド下穿刺診断専門医 |
講師 | 井口 研子 | 乳腺外科、内分泌外科 | 日本外科学会認定医 / 日本外科学会専門医 / 日本外科学会指導医 / 日本乳癌学会認定医 / 日本乳癌学会乳腺専門医 / 日本乳癌学会乳腺指導医 / 日本乳癌検診学会マンモグラフィ読影医 / 日本内分泌外科学会内分泌外科専門医 / 日本超音波医学会超音波専門医 / 日本超音波医学会超音波指導医 / 日本内分泌外科学会内分泌外科指導医 / 甲状腺超音波ガイド下穿刺診断専門医 |
講師 | 橋本 幸枝 | 乳腺外科、内分泌外科 | 日本外科学会専門医 / 日本乳癌学会認定医 / 日本乳癌検診学会マンモグラフィ読影医 / 臨床遺伝専門医制度委員会臨床遺伝専門医 / 日本がん治療認定機構がん治療認定医 |
病院講師 | 上田 文 | 乳腺外科、内分泌外科 | 日本外科学会専門医 / 日本乳癌学会認定医 / 日本医師会認定産業医 / 日本癌治療認定機構がん治療認定医 / 日本乳癌学会乳腺専門医 / 日本乳癌検診学会マンモグラフィ読影医 / 日本超音波医学会超音波専門医 |
病院講師 | 岡﨑 舞 | 乳腺外科、内分泌外科 | 日本外科学会専門医 / 日本乳癌学会乳腺認定医 / 日本乳癌検診学会マンモグラフィ読影医 / 日本内分泌外科学会内分泌外科専門医 / 日本乳癌学会乳腺専門医 |
病院助教 | 松尾 知平 | 乳腺外科、内分泌外科 | 日本外科学会専門医 / 日本乳癌学会認定医 |
アカデミックレジデント | 佐藤 璃子 | 乳腺外科、内分泌外科 | 日本乳癌学会認定医 / 日本乳癌学会専門医 |
クリニカルアシスタント | 花井 沙織 | 乳腺外科、内分泌外科 | |
クリニカルフェロー | 蒲原 玲南 | 乳腺外科、内分泌外科 | |
レジデント | 渡邊 瑞穂 | 乳腺外科、内分泌外科 | |
レジデント | 濱岡 武 | 乳腺外科、内分泌外科 | |
レジデント | 西野 ひかる | 乳腺外科、内分泌外科 |