筑波大学脳神経内科は、患者さんの多い認知症、パーキンソン病などの神経変性疾患から、多発性硬化症、NMOSD、重症筋無力症などの免疫性神経疾患、家族性脊髄小脳変性症などの遺伝性疾患、各種末梢神経・筋疾患、希少疾患まで幅広い医療を提供できる点が特長です。当科ではスタッフのほぼ全員が脳神経内科専門医だけでなく総合内科専門医も有しており、それぞれが専門分野の診療レベルの維持と、最先端の知見に基づく新たな診断法・治療法研究を行っています。特に、パーキンソン病・重症筋無力症に重点を置いた臨床試験・臨床研究を行っており、先進治療を希望される患者さんに対応することができます。また筑波大学附属病院は難病拠点病院として茨城県の難病医療の中核的役割を担っていますが、指定難病の中で神経・筋疾患の占める割合は最も多いこと、神経変性疾患最大のリスクが加齢であることから、超高齢社会にある我が国でニーズの高い診療科の一つです。
神経変性疾患(パーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、進行性核上性麻痺、多系統萎縮症など)、脱髄疾患(多発性硬化症、視神経脊髄炎)、炎症性疾患(脳炎、髄膜炎、脊髄炎)、脊椎疾患(変形性脊椎症性脊髄症・神経根症)、末梢神経障害(ギラン・バレー症候群、慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチー)、筋疾患(筋炎、ミトコンドリア脳筋症、筋ジストロフィー症)、神経筋接合部疾患(重症筋無力症)、発作性疾患(頭痛、てんかん、神経痛、めまい、失神)、不随意運動(振戦、ジストニア、ジスキネジア、ミオクローヌス)、全身疾患に伴う神経症状(糖尿病性末梢神経障害、ベーチェット病、膠原病、傍腫瘍性症候群)等
2023年1 月より当科に着任した斉木は、パーキンソン病・関連疾患の診療を専門としており、前任地(順天堂大学)では年間500名以上の外来診療を行ってきました。また、2023年12月より着任した藤巻も、同様に順天堂大学でパーキンソン病・関連疾患についての豊富な臨床経験を持っています。現在受けている抗パーキンソン病薬についての相談、外科治療等の選択肢についての相談(深部脳刺激法については、脳神経外科と連携、独自にホスレボドパ・ホスカルビドパ配合持続皮下注療法も実施可能)、今後の予測される病気の経過についての相談など、幅広い内容に対応しています。遠方から通院される患者さんも多いことから、かかりつけの先生との併診(本院通院は4 ~ 6 ヶ月毎など)も調整可能です。また、丁寧な診察と標準的な検査(脳MRIおよび核医学検査)結果を、必ずご本人・ご家族に説明し、現状を理解して頂いた上で治療を受けて頂くようにしています。これに加え、最先端の血液成分測定(遺伝子などの核酸、小分子化合物、蛋白質など)を行うことで、正確な病状把握・それに基づく治療に役立てています。
近年、パーキンソン病患者さんは、体のこわばりや動きにくさ・歩きにくさなどの運動症状だけでなく、自律神経症状・嗅覚低下・痛み・睡眠障害などの非運動症状に悩まれている方も多いことが分かってきました。そのため、REM睡眠行動障害などの睡眠障害を評価するための一泊二日の検査入院もできるようになり、最先端の機器を用いた評価が可能となっています。合わせて進行期のパーキンソン病患者さんの内服調整のための入院も可能です。
適応症:ミトコンドリア脳筋症
内容:ミトコンドリア病の中のMELASでは血漿中アルギニン濃度が低下しており、L-アルギニン投与により、血管内皮機能の改善が報告されていますが、保険適応にはなっていません。当科では2008年から2011年まで多施設医師主導治験に参加して以来、MELASにL-アルギニン製剤による治療を継続しています。
適応症:認知症を呈する神経疾患内容
内容:問診、神経学的診察、脳脊髄液検査、画像検査などを駆使して確定診断を行い、各疾患に対する適切な治療を行っています。80歳人口の10%がアルツハイマー型認知症に罹患しているとされますが、それ以外の希少疾患によって認知症を呈する場合も、精査の上、治療・介護環境の整備などの相談が可能です。またアルツハイマー病に対して、2023年末より投与可能となったレカネマブ治療についても、精神科・脳神経外科との密な連携の元、冨所を中心に対応可能ですので、ご相談いただければと思います。
9:00-12:00 | 13:00-17:00 | |
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月 | 斉木 臣二、塩谷 彩子、 鈴木 哲(第2、第4) |
斉木 臣二、塩谷 彩子、 鈴木 哲(第2、第4) |
火 | 中馬越 清隆、藤巻 基紀 | 中馬越 清隆、藤巻 基紀 |
水 | ||
木 | 斉木 臣二(パーキンソン病) 三橋 泉(レム睡眠)(第2、第4) |
斉木 臣二(パーキンソン病) 三橋 泉(レム睡眠)(第2、第4) |
金 | 冨所 康志 | 斉木 臣二(第1、第3、第5) 冨所 康志 |
9:00-12:00 | 13:00-17:00 | |
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月 | ||
火 | 脳波および誘発電位検査 |
筋電図検査、脳波および誘発電位検査 |
水 | 脳波 | |
木 | ||
金 | 筋電図検査 |
※休診:(休)、午前のみ診察:(前)、午後のみ診察:(後)、Dr.指定患者のみ診察:(指)、初診のみ診察:(初)
診察室 | 17日(月) | 18日(火) | 19日(水) | 20日(木) | 21日(金) |
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A140 | 斉木 臣二 塩谷 彩子 臨床試験 外来(後) |
中馬越 清隆 藤巻 基紀 臨床試験 外来(後) |
春分の日 | 斉木 臣二(後) 冨所 康志 認知機能 外来 臨床試験 外来(後) |
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A180 |
診察室 | 24日(月) | 25日(火) | 26日(水) | 27日(木) | 28日(金) |
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A140 | 斉木 臣二 塩谷 彩子 鈴木 哲 臨床試験 外来(後) |
中馬越 清隆 藤巻 基紀 臨床試験 外来(後) |
斉木 臣二(後) パーキンソン病 外来(前) レム睡眠行動異常 外来 |
冨所 康志 藤巻 基紀 CGRP(処置) 認知機能 外来 臨床試験 外来(後) |
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A180 |
診察室 | 31日(月) | ||||
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A140 | 斉木 臣二 塩谷 彩子 臨床試験 外来(後) |
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A180 |
肩書き | 氏名 | 専門分野 | 専門医 |
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教授 | 斉木 臣二 | パーキンソン病、パーキンソン病類縁疾患、睡眠障害 | 日本神経学会専門医 / 日本内科学会認定医 |
准教授 | 石井 一弘 | 認知症疾患(アルツハイマー病)、神経変性疾患、神経免疫疾患、中毒性神経疾患 | 日本神経学会専門医 / 日本内科学会総合内科専門医 / 日本内科学会認定医 / 日本医師会認定産業医 / 日本認知症学会専門医・指導医 |
講師 | 中馬越 清隆 | 神経眼科、神経免疫疾患、神経変性疾患 | 日本神経学会専門医 / 日本内科学会総合内科専門医 / 日本内科学会認定医 |
講師 | 冨所 康志 | アルツハイマー病,認知症 | 日本神経学会専門医 / 日本内科学会認定医 / 日本認知症学会専門医・指導医 |
講師 | 保坂 孝史 | 日本神経学会専門医 / 日本内科学会認定医 / 日本内科学会総合内科専門医 | |
講師 (水戸地域医療教育センター) | 塩谷 彩子 | 日本神経学会専門医 / 日本内科学会総合内科専門医 / 日本内科学会認定医 / 日本医師会認定産業医 / 日本認知症学会専門医・指導医 | |
講師 (ひたちなか社会連携教育研究センター) | 儘田 直美 | 日本神経学会専門医 / 日本内科学会総合内科専門医 / 日本内科学会認定医 | |
講師 (茨城県西部地域臨床教育センター) | 寺田 真 | 日本神経学会専門医 / 日本内科学会総合内科専門医 / 日本内科学会認定医 | |
登録医 | 石井 亜紀子 | 筋疾患、免疫性神経・筋疾患、末梢神経障害 | 日本神経学会専門医 / 日本内科学会総合内科専門医 / 日本内科学会認定医 / 日本老年学会専門医 / 日本医師会認定産業医 |