筑波大学附属病院リハビリテーション科には10名(うち6 名はリハビリテーション科専門医、4 名は後期研修医)の医師が在籍し、リハビリテーション部の63名(うち3名は産休中)のリハ訓練士(PT、OT、ST)とともに入院・外来患者さんへリハビリテーション医療を提供しています。入院患者については、各診療科からの依頼に基づき対応しています。外来通院によるリハビリテーションは、本院入院中に開始し、退院後も本院で診療継続が必要な方、及びリハビリテーションを必要としながら他の医療機関での実施が難しい方を主な対象としています。外来でリハビリテーションを開始する場合は、機能障害の原因である傷病について関連する診療科を受診していただいた上で、その診療科から依頼を受けています。
施設基準は脳血管リハビリテーション料(Ⅰ)、運動器リハビリテーション料(Ⅰ)、呼吸器リハビリテーション料(Ⅰ)、心大血管疾患リハビリテーション料(Ⅰ)及びがん患者リハビリテーション料算定のための施設基準を満たしています。心臓リハに関しては循環器内科から専門医1 名を専任医師として派遣していただいています。
2023年度の年間診療実績は表1 、2 の通りです。急性期リハビリテーションへの対応が中心となるため、整形疾患・脳血管疾患・心疾患・腫瘍・内科外科チームに分かれてリハビリテーションを提供しています。
理学療法では主に下肢・体幹の運動訓練や物理療法を行います。起立・歩行・起居動作を中心とした基本動作の練習や呼吸訓練(呼吸リハビリ)、小児の発達訓練、難病疾患に対しては難病用HAL®を用いた歩行訓練を行っているほか、スポーツ疾患については本院併設のSMIT(つくばスポーツ医学・健康科学センター)と連携して専門的で切れ目のないリハビリテーションの提供を目指しています。
作業療法では生活場面での作業に焦点を当てた機能訓練を行い、動作の向上を図ります。日常生活活動(ADL)において上肢・手指の巧緻性必要とする身辺処理や応用動作の練習や、小児の発達訓練、自助具の作成と使用訓練、義手や上肢装具の作成・調整・着脱訓練を行っています。
言語聴覚療法では、主にコミュニケーションや食べる能力及びこれらに関わる器官の機能の改善を目的とした訓練や指導・助言を行っています。失語症を中心とした高次脳機能障害、構音障害、言語発達の問題、難聴に対する人工内耳埋め込み術後などの音声・言語・聴覚障害並びに摂食・嚥下機能障害を主な対象としています。
区分 | 実患者数(人) | 療法件数(件) |
---|---|---|
理学療法 | 4,370 | 41,364 |
作業療法 | 2,011 | 15,229 |
言語聴覚療法 | 1,242 | 8,247 |
診療行為名称 | 算定単位数(件) |
---|---|
心臓大血管疾患リハビリテーション料(I) | 15,881 |
脳血管疾患等リハビリテーション料(I) | 42,341 |
廃用症候群リハビリテーション料(I) | 7,624 |
運動器リハビリテーション料(I) | 23,878 |
呼吸器リハビリテーション料(I) | 9,968 |
がん患者リハビリテーション料 | 6,255 |
脳血管障害、末梢・中枢神経疾患、運動器(筋骨格系)の疾患・外傷、呼吸器疾患、循環器疾患、開胸・開腹術後(周術期)、廃用症候群、精神運動発達遅滞、がん 等
現在、1 回40分の治療プログラムを週2 回、合計9 回を1 クールとして外来通院にて行っております。治療費用については、医療保険の対象内で行われ、特定疾患医療費助成制度(難病・特殊疾病)の対象となります。
<HAL対象8疾患>
・脊髄性筋萎縮症(SMA)
・球脊髄性筋萎縮症(SBMA)
・筋委縮性側索硬化症(ALS)
・シャルコー・マリー・トゥース病(CMT)
・遠位型ミオパチー
・封入体筋炎
・先天性ミオパチー
・筋ジストロフィー
義肢装具支給においては、専門の医師の処方が必要となります。当外来においては、専門的に身体機能、残存機能を評価し、義肢装具士とともに適切な装具を作製いたします。曜日が決まっており、予約制となっています。
脳卒中の後遺症や頭部外傷、脊髄損傷、脳性麻痺などが原因で起こる上肢痙縮、下肢痙縮(手足の筋肉のつっぱり)に対してボツリヌス治療を行っています。
2021年10月に、耳鼻科、口腔外科、リハビリテーション科・部、看護部、病態栄養部のメンバーで摂食嚥下サポートセンターを立ち上げました。入院中の患者さんの食事摂取に関する評価(理学所見、嚥下造影検査、嚥下内視鏡検査など)と摂食嚥下訓練を中心となって進めています。
9:00-12:00 | 13:00-17:00 | |
---|---|---|
月 | 三浦 紘世 | 羽田 康司 |
火 | 羽田 康司、上野 友之 | 上野 友之、清水 如代 三浦 紘世 |
水 | 上野 友之、清水 如代 | 上野 友之、武臣 真和 |
木 | 清水 如代、三浦 紘世 | 三浦 紘世 |
金 | 羽田 康司、上野 友之 | 武臣 真和 |
肩書き | 氏名 | 専門分野 | 専門医 |
---|---|---|---|
診療科長 教授 | 羽田 康司 | リハビリテーション医学、臨床神経生理学、パラスポーツ医学 | 日本リハビリテーション医学会専門医・指導医・認定医 / 日本臨床神経生理学会専門医・指導医(筋電図・脳波) / 日本スポーツ協会公認 スポーツドクター / 日本障害者スポーツ協会公認 障がい者スポーツ医 |
准教授 | 清水 如代 | リハビリテーション医学、義肢装具学、障がい者スポーツ医学、脊髄損傷リハ、小児リハ | 日本整形外科学会認定整形外科専門医 / 日本体育協会公認スポーツドクター / 日本リハビリテーション医学会リハビリテーション専門医・指導医 / 日本障がい者スポーツ協会公認スポーツドクター |
講師(古河・坂東地域医療教育センター) | 上野 友之 | リハビリテーション医学、神経内科学 | 日本リハビリテーション医学会専門医 / 日本神経学会専門医/ 日本内科学会認定医 / 日本スポーツ協会公認 スポーツドクター / 日本障害者スポーツ協会公認 障がい者スポーツ医 |
病院助教 | 俣木 優輝 | リハビリテーション医学、運動器リハビリテーション | 日本整形外科学会整形外科専門医 / 日本リハビリテーション医学会専門医 |
病院助教 | 渡慶次 香代 | リハビリテーション医学、小児リハビリテーション | 日本リハビリテーション医学会専門医 |
病院助教 | 渡部 岳 | ||
医員 | 中島 早百合 | リハビリテーション医学、摂食嚥下リハビリテーション | |
医員 | 竹原 慧 | ||
医員 | 来間 泰佑 | ||
医員 | 内田 元 |